漬物

 晴れ、気温は5度。

 週末から来週にかけて、天気予報に雪マークがつき始めた。まだ根雪にはならないだろうが、寒さは厳しくなっていく。気温が高ければ雨なのだろうが、北からの冷たい空気の塊が平野部でも押し寄せてくるということだろう。

 寒さといえば、そろそろ漬物の季節なのだが、店頭に並ぶ漬物用の野菜が少ない。台風の影響もあるだろうが、そもそも家庭で漬物を漬けることが少なくなったということである。

 この時期、雪が降るか降らないかの頃につるされる大根なのだが、自分の周辺の家庭で一つも見かけない。大根を干して漬ける沢庵の樽がそもそも見かけなくなった。昔は本当に木でできた樽だったが、今はプラスティックに変わり、その大きさも樽というよりは小さなバケツほどの大きさになったが、それ自体が無い。

 越冬用に食べる漬物は大量の塩で漬けるため、高血圧の元といわれて最近は食事制限の対象になってしまった。そういったことも漬物を遠ざける理由になっているのだろう。

 しかし、そうであってもたまに昔実家で漬けていたような漬物を食べたくなる。無いものねだりではないけれど、スーパーで売られているような物の味ではなく、やはりおふくろの味というような言葉でしか表せないようなものである。