AI

 晴れ、気温はマイナス11度。今冬一番の冷え込みである。

 今週初めから予想に反してアリューシャン列島付近でまたも大きな低気圧が発達し、その影響で北寄りの風が北海道に大量に吹き込む形となった。今年の冬は、このアリューシャン列島付近に大きな低気圧が発達しやすく、そうなると北海道に寒波が押し寄せてくる。

 この低気圧の発達は、Windytyでも予想できないようだ。不安定な時期での天候の予報というのはコンピュータを使っても分岐が大きく予想するのは困難だというのが良くわかる。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK23H13_T21C16A1000000/) 

日本の人工知能(AI)研究者らが開発した囲碁ソフト「DeepZenGo(ディープゼンゴ)」と国内有力プロ棋士趙治勲名誉名人(60)が対決する第2回囲碁電王戦は23日、東京都内で打たれた最終局に趙治勲名誉名人が勝ち、対戦成績2勝1敗で三番勝負を制した。ハンディなしで初めてプロ棋士と公の場で対決した日本製AIは、趙名誉名人に及ばなかったものの、互角の勝負ができる実力を示した。三番勝負は第1局を趙名誉名人、第2局はZenが制していた。

 囲碁も同様に一手で大きく情勢が変わるものである。正し盤面は19×19であるため何時かはAIに追いつかれるのではないかといわれているGameである。同じようにチェス、将棋がAIによる挑戦を受け、最初に盤面が小さく取った駒が再使用できないチェスがAIに敗れた。そして次に追いついてきそうなのが、囲碁だと言われている。将棋は、相手の駒を取ればまた再使用できることから次の手が複雑になるといわれている。

 囲碁は上に書いたように19×19の範囲しかない、そこに辺縁があり碁石を埋めていく競技である。すべての碁盤を自分の碁石で埋めてしまうことができれば良いわけだし、更に言うと辺縁をある大きさで囲んだ領域は自分の地となるので全てを自分の碁石で覆うことは無い。

 今年、同じAIのアルファ碁が韓国の棋士に勝利した記憶は新しい。このgoogleのAIもディープラーニングという手法を用いて勝利した。


 そこでディープラーニングがどれ程協力なのかという疑問である。そもそもディープラーニングは、AIが一人で学習して知識を積み重ねるものである。その知識の元は、過去の棋譜である。あらゆる情報をAIに与え学習させていく。最初からAI単独で学習させるには、経験則が足りないためその学習スピードを増すためにデータを読ませるのである。この過程は人と同じである。人が子供の時に大人から物事を教わることでそれまでに天才が編み出した時間を超越して獲得できる。もし、法則を自分で証明しなければならないのなら途方もない時間が必要だからである。それを誰かに教わることで短縮しているのである。

 

 AIも同様である。人がこれまで積み上げてきた知識をまず習得し、その後それをもとにAI同士で対戦しながら知識を増やしていく。そういった過程を踏み人間の有段者と伍して戦うことができるようになった。既に高段者の腕前を獲得したということになる。

 普通の人なら簡単に負かされる程度の棋力は既に獲得したこのディープラーニングの手法が今後どうなるかということである。おおもとの学習教材は、人間が積み重ねてきたものである。その点からいえば人間を超えるという部分で何事も可能かということになる。ある分野という分野を決めてしまえば人間の知能を超えてしまうことは予想できるが人間以上、あるいは人間が思いもよらぬところで自然界の法則を発見するには、ある程度の訓練と手足となる何かが必要になる。その実験をするものがもし手に入れば自立した知能を得ることができるだろう。

 ゲームは、まさしくそういったことを獲得するための最適な実験道具になる。ここで得た学習方法を応用していけば最初に上げた天気の予報も正確に行うことができるようになるだろう。その未来は確実に来ることが予想できる。

 しかし、長期の予報となると無理だと思われる。そこには学習できない確率の変動というのが必ずあるからである。確率が100%になる事象であれば問題ないが、自然界の事象の確率は常に変動する。一秒、一分先にどのように変化するかAIでも予想することは不可能であろう。それは多くの蝶々が羽ばたきをするからに他ならない。