フェイクニュース

 晴れ、気温マイナス8度。今日の日の出時間は7時で漸く日が明けた。

引用 日経BPhttp://nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/120503629/) 

DeNAが運営するWebサイトを巡っては、医療情報サイトのWELQで記事の信頼性や著作権法上の問題に関する批判がインターネット利用者やネットメディアの間で高まり、DeNAWELQを11月29日に非公開にした

引用 ニューズウィークhttp://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6474.php

真実ではないニュースが広がってゆく動きは昔からありましたが、インターネットが登場し、情報拡散力が高いソーシャル・メディアによって、あっという間に多くの人に情報を伝達することが可能になりました。第2次大戦中の名宰相ウィンストン・チャーチルは「真実がズボンをはく前に、嘘は世界を半周してしまう」と言ったそうですね。この動きが現在ではさらに加速化しています。

 先の米大統領選では「ローマ法王がトランプ氏を支持」(WTOE 5ニュース)、「クリントン氏の流出メール担当のFBI捜査官が無理心中」(デンバー・ガーディアン)といった嘘のニュースがフェイスブックで大きく拡散されました(2つとも嘘のニュースを流すサイトであることが調査で判明しています)。

 今、ネット上で爆発的に流れるフェイクニュースが話題になっている。昔なら、一部の噂話でしかなかったことがSNSを通じて一瞬のうちに世界に広まっていく、いわゆる嘘話である。

 真実を知る人にとっては、その話が嘘だとわかるのだが、真実を知らない人にとってそのことが嘘と分からない。嘘と分からない人が増えれば嘘と誠になるという話である。

 そういった今では社会の常識として知られている話、例えば「地球は太陽の周りをまわっている―地動説」を受け入れられない人が「天動説」を信じていた時代には、人は神が地上に作り出した存在であった。

 

 真実を知らなければ地球が宇宙に浮く惑星の一つだということも信じることができない。そういった類の大きな話ではなくとも、本当の話のように作り上げられた嘘は、それが嘘だということを知らされなければ本当の話として独り歩きをする。

 例えば、「昨日のCWCの試合後にC.ロナウドのユニフォームを手に入れた」という架空の話をSNSでつぶやいたとする。丁寧にレアルマドリードの背番号7のユニフォームの写真とともにである。

 SNSのフォロワーが多ければその話は急速に広まる。実際は、試合後にレアルマドリードのファンとユニフォームを交換しただけかもしれない。しかし、それを見た人は、当人が直接本人からユニフォームを手に入れたと誤解する人が大半かもしれない。それが嘘と見破るには、C.ロナウド本人に確かめる必要があるが、そんなことを確かめられる人はそう多くない。

 嘘のニュースは、事実を散りばめながら嘘を挟む、あるいは誤解するように誘導する。大きな真実に一つまみの嘘を混ぜることでそれを見た人がそれを信じるように仕向けるわけである。

 最近、こういったニュースも流れた。

引用 産経新聞http://www.sankei.com/life/news/161216/lif1612160023-n1.html

水素が高濃度に含まれているなどとして販売されている「水素水」やその生成器の一部の商品で、販売する会社のホームページや商品パッケージで健康効果をうたうものがあり、健康増進法景品表示法に抵触する恐れがあるとして、国民生活センターが業者に文言の改善を要望したと15日、発表した。

 今、検索で「水素水」と調べると検索上位に水素水の有用性を語る結果が上位に示される。いわゆる高濃度水素水は、飲用すると素早く血液中の活性酸素と結びつき健康に良いという話である。

 こういった話を読んで普通に勉強してきた人は、引用すると体を通過する部位は食道、胃であって血管ではないと考えるだろう。直ぐに血液に触れることは無いことを知っているわけで、どう考えても活性酸素を除去することは不可能と気付くだろう。例え血管に直接管を入れて点滴したとしてもである。

 しかし、科学的知識が無い人の何割かはこの話を信じてしまう。そこに論理の飛躍があろうともそれが間違いだと認識できないからである。人づてに誰々の医学博士が効果を証明したと言われ、その論文の一部を見せられて説明されようものならそれが本当と信じて疑わない。渡された論文の一部など難しい化学式が書いてあればそれを読む気にもならないのだから無効と書いてあっても構わないのである。

 しかし、人類の歴史は嘘に塗り固まれていることが多いのも事実である。何百年前のことを真実と証明してくれる人はいない。その時代に生きていた人はこの世に存在しないからである。文書などが残っていてもそれを記載した人が正しいことを書いているかわからない。

 昨日最終回を迎えた「真田丸」の中にも資料が少なく色々な仮説がある真田丸の姿かたちを一部の資料を信じ再現していた。もしかすると後世の人は、このNHK真田丸の録画を見てこれが正しい歴史として伝える可能性がある。

 今見ている人は、ドラマは架空の話であると分かってみているが、もしかすると何割の人はあのドラマの筋書きが真実と思っている人も多いはずである。

 あのドラマには、史実に沿って脚本が書かれ演じられているが、ドラマの主要な登場人物である霧は、実在していているのか定かではない。その当時を忠実に記した資料が無いからである。例えば霧が毎日日記を書いていてそれが発見されない限りその当時のことを知る手掛かりはない。実在そのものが推測でしかないのである。

 しかし、ドラマで霧の存在は良くわからないと流れていてもその部分を記憶から消してしまえば、真田信繁に霧という女性がそばにいたと信じるだろう。

 嘘を嘘と見抜ければそれは虚構でしかない。しかし、誰もそれを嘘と証明できなければ、あるいはそれが嘘と証明してもらえなければならない。

 しかし、新聞も誤報を流すように新聞社も嘘を流すことがある。真実を見抜くことは困難を極める。だからこそこういったフェイクニュースというものが出来上がるのだろう。