日米交渉

 雪、気温はマイナス10度。朝から雪は珍しい。低気圧が離れるにしたがって北寄りの風に変わり石狩湾の雪雲が石狩平野に流れやすい状態になっている。

 トランプの動きは激しい、矢継ぎ早に問題発言を繰り返すことで周辺国の対応を遅らせることに成功している。時間を取れば周辺国が同盟を組んで反対することを恐れているのだろう。碁の先というやつである。先手を有利の戦いに持ち込もうとしているのだろう。

 確かに先手を打つと後手は守りに入るのが普通である。相手の攻撃に何かの策があると疑うからである。だから誰もが一度守勢に回る。先手の攻撃に対して攻撃で応じるのは、既に周到な用意がある場合か、失うものが無いものの手段である。その時の攻防が次の攻防に反映される。

 予想外のダメージを受ければ用意した攻撃は効力を失う。攻撃が鈍れば相手の手勢の勢いに飲まれ、撤退をするか敗走の際に後ろから叩き潰される。最初の攻防が後々の戦いに響くものである。

 では今回の日本の対応はどうすべきなのか、脊髄反射的に反応するのは愚の骨頂である。何故なら相手の攻撃に備えもなく立ち向かうことになるからである。もし懐に余裕があるなら受け流すか、引いて受け止めることである。譲歩もその一つである。

 しかし、受け身だけではいつかは追い詰められて引く場所も失う、その場合すべきことは一国で相手の攻撃を受け止められなければ手助けを頼むしかない。

 残念ながら今の日本に同盟と呼べる関係はアメリカを除いてない状態で、今まで味方だと思っていた勢力に攻め込まれると打つ手が乏しいというのも現実である。そのあたりの部分の攻防が外交も戦いの一種であると感じる。

 2月10日に安倍首相が訪米し会談することになる。果たしてそれに備えた戦略が日本にあるのだろうか。朝日新聞などは、アメリカに対して70万人の雇用を創出するというお土産を持っていくと書いている。本当にこれが正しいのかどうか分からないが、普通なら手の内は明かすことは無い。事前に相手の了解のもと打ち出すにしても、会談で決まったことであるとして成果を強調するのが好都合であるからである。

 雇用創設も、日本企業がアメリカで工場を建設することで雇用を確保するということなのだろうが、アメリカ、それもトランプが素直に受け取ることはないだろう。工場を作ることではなくアメリカ企業の傘下に入るように暗に求めるとかの形はあるのかもしれない。簡単に受け入れることは先ずないし、それも考えてからの両者の合意ということなのだろうと思う。

 日本が、アメリカと対等に渡り合える規模の国家でないところが難しい駆け引きになるだろう。善意だけでは物事は通じないものである。