地球は回っている

 晴れ、気温はマイナス8度。

 日の出時間は、冬至の時より20分ほど早くなっている。一月ちょっとで20分というのは、6月の夏至まで後4か月ちょっとだから、計算に合わない感じがする。

 そこで札幌に日の出時間を調べてみた。ここ

 日の出のピークは、以前にも書いたように冬至の日が一番遅いのではなく、年の暮れから一月の一週間くらいで7時6分の日の出時間が続く。そこから一月の末から1分刻みで日の出時間が早くなり、2月の今頃は1分半から2分のペースで徐々に一日ごとの進み具合が増していく。そうして3月の春分前に一日2分ほど早くなりそこからまた徐々に一日ごとの速さが減ってくる、そうして6月の初めから夏至までの間、日の出時間は一番早くなり3時55分となるのである。

 日の出の時間の早くなり方は、正比例の直線ではなくS字カーブ(正弦曲線)を描くことになるのである。これは物理の授業で学ぶ振幅と周期をもった運動ということになる。

 地球は一日一回自転しており、太陽の周りを一年を掛けて公転している。地球が北極と南極の軸を垂直として太陽の周りを回っていれば、日の出日の入りは同じ時間になるのだが、地球の回転軸が23.4度傾いている。その傾きが丁度駒が傾く時の回転運動と同じになる。

 そのため太陽に対して地球の傾きが大きいほど北半球は太陽に対して日の光を受けられるこの時が夏の季節になる。反対に太陽に対して傾きが逆であれば日の光を受ける時間が短くなる冬となるのである。地球軸の傾きの変化が公転と一致するので一年で日の出時間が変化している。

 こんなことを以前にも書いたような気がするのだが、理屈で理解しても日々の暮らしの中の変化で不思議というものが結構ある。それは物理の法則だから当たり前というようなことでもなく、そういったに当たり前のことも実際に体験することで神秘性を感じる物である。

 そういったことはこの世の中にたくさん存在する。ただの自然現象であると判りきっていても人はそこに神秘性を求めるものである。だからファンタジーの世界も生まれてきたともいえる。

 地球上に暮らしていれば、地球が太陽の周りを公転しているというよりも月と同様太陽が地球の周りを回っていると思うほうが当然のことである。

 地動説を唱えて人は、異端と最初に批難されることも当然である。しかし、日の出の時間ではないが何故時間が一定ではなく一年という周期を持って変化しているのか、その謎を解こうとする努力があってこそ人間は宇宙に飛び出そうとする時代を迎えたのだと思う。

 天動説を唱えていたとしても空に限界があるのか試したくはなるだろうけれど。