フェイク健康法

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 トランプが大統領になってから俄然話題となったフェイクニュース。日本でもマスコミが流す情報の中にフェイクニュースが混ざっているのは良くあることであった。

 

 それが徐々に明らかになってきたことは、不明なことをあたかも事実のように流すことに対する監視の目が強くなってきたからだと思う。

 その一つの理由が、数十年前のニュースの母体が新聞雑誌などの紙あるいは、今ほど録画機能が良くなかった時代のテレビ媒体による伝達であったからである。

 今では、情報は紙から電子媒体に移り、テレビ放送も24時間録画できるような機能の機械が登場して、幾らでも遡って情報を検証することが可能になってきた。

 そこに現れたのが、堂々と自分の主張に対して反対の事実を明らかにするのはすべてフェイクだと宣う大統領が現れて俄然そのことが問題になされるようになってきた。

 日本でも、以下のようなことがあった。

引用 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASJDW5VWQJDWUTIL038.html

芸能人がブログなどで紹介してブームとなっている「水素水」について、国民生活センターが違法とみられる表示や広告が目立つと注意を呼びかけている。禁じられた健康効果をうたうだけでなく、水素自体が検出されなかった製品もあった。

つい最近では、「塩水ダイエット」なる健康法について報じられた。

引用 exciteニュース(http://www.excite.co.jp/News/it_g/20170207/Slashdot_17_02_06_1737242.html

一度に1リットル近くの塩水を飲み干すという「ソルトウォーターバッシング」なるダイエット方法が広まっているという。このダイエット方法には実際には効果は無く、逆に健康を害する可能性があるのだが、これを推奨するサイトはネット上で多数公開されているという(NHK)。

ソルトウォーターバッシングは、1リットル前後の生理食塩水を10~20分前後で飲み干すというもの。「生理食塩水は体内に吸収されず、そのため腸の洗浄効果がある」などと謳われているが、実際にそのような効果は無く、逆に内臓に負担をかける可能性があるという。

 今でも水素水、塩水ダイエットなどという単語で検索を掛けると効能効果をうたうものがたくさん出てくる。それぞれに反論する検索結果が出てくるが少数で多くが健康に良いという紐付きの情報である。

 塩水ダイエットなどは、明らかに健康を害する方法である。この方法の元は、考えるに大腸検査などの時に行われる前処置に小腸、大腸に吸収されにくい等張液を飲水することではないかと思う。

 翻って塩水はどうかというと、塩分はを含む水は体内で血管を通し浸透圧作用で吸収されるものである。その際、血液の浸透圧が低い状態であれば塩分が吸収され、浸透圧が低ければ水分が吸収される。

 飲む塩水の濃度が濃ければ脱水になることがあるし体内に塩分が余計に吸収されることにもなる。大腸検査の前処置に使われるものはそういったことが起こりにくいようになっているため、腸内を移動する間水分が吸収されにくくなるため最終的に大腸まで水分が届き洗浄効果が表れるのである。

 また、大腸検査を行うと判ると思うが、多くの人には宿便というものは存在しない。腸の粘膜は、丁度口腔内の粘膜のように滑々しており便がこびりつくことは無い。もしこびりつくことがあればそれは生きていない大腸である。

 イワシの頭も信心からということで、昔から伝わる根拠のない健康法が多くあり、日本人もそのことを許容してきた。そのことで大きな健康被害が起きることが無かったか公にならなった部分があったが、今の情報化社会の中でそういった不誠実な健康法を排除するのは当然のことと思われる。