恐怖の種

 曇り、気温は13度。風が冷たく感じ少し暑さも後退した感じである。今週いっぱいぐずついた天気になりそうである。

引用 ロイター(http://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-un-idJPKBN18I2M8

国連安全保障理事会安保理)は22日、北朝鮮による21日の弾道ミサイル発射を非難するとともに、安保理を無視する同国の「非道かつ挑発的な行為」に懸念を表明した。

安保理は日米韓の要請を受け、23日に非公開の緊急会合を開き、今回のミサイル発射について協議する。

安保理は2006年に北朝鮮に対する最初の制裁決議を採択した。

 この問題に関して国連は無力としか言いようがない。上記の記事に書かれているように2006年に制裁決議を採択したが、それによって北朝鮮の核開発が中止されたかというと何の効果もなく今の現状である。

 いくら経済制裁を行ってもどこからか北朝鮮に金が入り核爆弾の開発が進められそしてミサイルの開発も続行されていた。国連の制裁に対して無問題の国が存在しそこから何らかの取引が行われているということである。国連の存在意義が問われる結果となっている。

 これに関して日本政府も北朝鮮の制裁を強化するとしているが、では今までの制裁は不十分だったということでもある。更に日本単独では制裁を続けたとしても無意味であるということなのかもしれない。

 では今武力で開発をストップさせることはできるのかという問題が発生する。その一つは、中国とロシアが積極的にこの問題に係るかということである。ロシアは、シベリアの開発のために北朝鮮の労働者を確保しようとしている。彼らにとって安い賃金で働かすことができる貴重な資源である。それを供給してもらわなければ極東の鉱物資源や天然ガスは手に入らない。もし供給が絶たれればロシアにとって死活問題である。

 ロシアは裏で北朝鮮と取引しているのは確実である。ある程度のミサイル開発技術はロシアから流れていると考えられる。それ以外に開発に関する情報を流せるのは日本からだろう。

 科学者会議が武器開発にNOと言っても末端の技術者は金が無い人が多い。僅かの金の為に開発に必要な情報を流すことがあり得る。だから北朝鮮がここまでの技術を手に入れたのも必然である。

 この先、核爆弾を積んだミサイルが何時の時点でアメリカに到達できる能力を手に入れるかという問題であり、その開発はすぐそこにあると考えてよいだろう。

 アメリカは広い、アメリカに到達するだけで良いのなら命中精度はそれほど必要なく、距離さえ稼げれば問題なくアメリカに恐怖心を与えられる。今はその一歩手前であるということである。今から経済制裁を強化しても時間が掛かりすぎる。

 

 そして心配なのは、イスラム過激派がこの技術を取り込むか供給してもらいアメリカに脅しを掛けた時にどうなるかである。中東と北朝鮮同時に2か所を攻撃して核ミサイルを無力化することが難しくなれば成るほど事態は難しくなる。脅しを掛けられたときに先制攻撃で相手を無力化するぐらいの者だとしたら多くの人が犠牲になるのは明らかである。それが自国の民を守るために許されるかということになる。

 第2次世界大戦で長崎と広島に原爆を落とし、多くの民間人を犠牲にしたアメリカならできるかもしれない。しかし、もしそれをしたなら本当に世界が終わる日がやってくるかもしれない。

 アメリカがが1942年から開発を始めた核爆弾は、1世紀も絶たずして世界を滅ぼす可能性までになった。一時期核爆弾を持つ国が限られていたため何とかその速度は抑えられていたが、その箍は外れてしまった。北朝鮮が何らかの手段で滅ぼされたとしても恐怖の種は永久に芽生え続けてくるだろう。