告発者登場、争いは終盤に近付いたのか?

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引用 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASK5T5JTSK5TUTIL031.html

獣医学部の新設をめぐる国家戦略特区の選定過程に何があったのか。25日に記者会見した前川喜平・前文部科学事務次官は、必要な手続きが踏まれずに進められたと証言し、「行政がゆがめられた」と語った。4カ月前まで学部新設の認可権限を持つ文科省の事務方トップだった人物の証言に、官邸周辺は疑惑の打ち消しに追われた。

「極めて薄弱な根拠のもとで規制緩和が行われた」「公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」

 前川氏は25日の記者会見で、国家戦略特区で「加計学園」の獣医学部新設が認められた経緯について、「条件」が満たされていないのに進んでしまった、と強く批判した。

引用 産経新聞http://www.sankei.com/affairs/news/170525/afr1705250033-n1.html

「あったものをなかったことにはできない」。学校法人加計学園岡山市)の獣医学部新設計画に関わる記録文書をめぐり、文部科学省前川喜平事務次官(62)は25日の記者会見で、文書の存在を認めた。一方、自身が指摘する「行政のゆがみ」を在職中に改善しなかったことを問われると、「私の力不足」と繰り返した。(中略)

 一方で、“告発”が退職後になった理由は「私の力不足。(自身の考えを通すには)政治的な意思決定が必要だった。行政的に進めるのは難しかった」と釈明。「文書は(同省幹部で)共有されていた」としたが、誰が共有していたかについては「文書によって違う。どの資料が誰に渡されているか分からない」と話した

 この問題、国会で取り上げられた文書が前川氏経由あるいは自身の書いたものであるということが判明した。

 言ってみればこの問題は社会人なら誰でも経験していることである。プロジェクトが上の意向或いは都合で変更されることは良くあることで、それに反旗を翻し立ち向かっていくことは余程の覚悟がないと難しい。

 これが国家の重大な危機に陥れるものなら兎も角、色々なしがらみの中で起きた出来事なのだろうと思う。それに安倍総理パトロンが一枚噛んでいたいたということが問題なのだろう。しかし、良く考えれば一国の総理大臣を続けていると政界、財界に関係者は大勢出てくる。有力者ほど何かの関係を持つものだろうと思う。

 ある意味、総理の周辺に群がる人たちは日本での特権階級というべき存在だろう。特権階級が今以上に甘い汁を吸い続けることは許されないというのは良くわかるし、その部分を強調して庶民感情に訴えれば喜ぶだろうという感覚と、安倍憎しの感情でどんなことでも揚げ足を取るという薄衣の陰で透けて見える別の権力者の姿がある意味凄いと思う。

 この戦いは、一見、特権階級対庶民という目線で繰り広げられているように見せかけた、権力と権力の争いなのである。裏を返せばお互い裏でつながっているどっちもどっちなのだが、今の勢力図的に言えばここで負けると負けた方がこの先浮かばれないという勝負なのである。

 別に対立関係を強調させている訳ではない。負けたほうが潔く舞台から降りるならまだしも最後まで見苦しく退場するような気がしてならない。

 この件でいえば、前川氏はその舞台で狂言回しの役で登場したに過ぎない。自分の名誉を傷付けた相手に対して復讐のために登場したのだろうが登場までの仕方が余り上手くない。本人が言うように認可の時点で反旗を翻せばそれなりに支持を集めただろうと思う。ただ負けても彼を担ぎ上げた方面から何らかの報酬が下りてくるのかもしれないが、何も裏が無く告発したことを信じたいと思う。

 これまたあれだが、今日の朝日新聞共謀罪について緊急世論調査の結果を発表した。共謀罪の賛否を問うと賛成が多いく、前回行った質問「もっと良く審議をするべきだ」の結果が多かったのを受けて、今回は「共謀罪の審議が不十分」という内容で質問したらしい。ハッキリ言ってしまえば、自分の都合の良いように世論調査を利用していると思う。

 こういった行為が、世論調査の信頼性を失わせていると思うし、今回も正々堂々と共謀罪の賛否を問うべきだったと思う。もしかするとその結果賛成が多くて公表していないだけかもしれないが。

と書いたところで朝日新聞世論調査の結果がWEBに載っていた。詳しい内容はこちらを見て欲しいが、共謀罪についての賛否は世論調査の質問に含まれていました。

◆政府は、犯罪を実行しなくても、計画の段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ、組織的犯罪処罰法の改正案の成立を目指しています。この法案に賛成ですか。反対ですか。

 賛成30(38)

 反対35(38)

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は5月13、14日の定例調査の結果)