栄枯盛衰

 曇り、気温は13度。なかなか暖かくはならない。温暖化という言葉に相応しくない気温である。


引用 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASK6V4RKJK6VULFA014.html) 

エアバッグで世界を先導した自動車部品大手タカタが経営破綻(はたん)した。「ファミリー経営」が迷走を重ね、「安全」を売りにしながら消費者の信頼を裏切った。先端技術がはらむ安全上のリスクにどう向き合うべきか、新しい課題も突きつけている。

 エアバッグ、シートベルトについては一時期一人勝ち状態だった。その中での破裂事故により全品リコール要求となったが、メーカーとしては事故原因が自社製品ではないのではないかという考えがあり自分たちが正しいことを主張したかったのだろう。

 しかし、相手は消費者であり、消費者と戦うことの危険性がもろに出た。売る側と買う側の力関係でいうとやはり売る側の方がやはり立場上弱い。嫌なら買うなという意見もあるが本当に買ってもらえなくなれば会社は行き詰まる。その危険性は、本当に自社に責任が無くても影響があることは歴代の企業のいくつかが舐めてきたつらい経験である。

 会社を100年維持することの困難さを忘れてしまうと殿様商売に成りかねない。そこに本当に経営の難しさを感じさせる。

 タカタのホームページを見ると創業は1933年となっている。それから100年経たずに会社更生法を適用となった。代々社長は創業家が受け継いで来たようで現社長は3代目になる。

 

 会社経営を世襲している企業は、この失敗を学ぶべきである。創業者、2代目が世界に飛躍したとしても3代目が屋台をつぶすことはままある。幾ら創業家だとしても経営は別である。優秀な経営者が同族から3代続けて排出する確率は、数%だろう。普通はその間に並みの能力の経営者が生まれる。その時点で企業は行き詰まる。更に悪いことに創業者の優秀なところを真似ようとして失敗したり、今までの伝統を破壊して新しいものを生み出そうとするあまり足元の不安定さを見誤ることである。

 

 それとは別にタカタの事業を買い取ったのが中国企業というところこそ重要である。日本国内の企業買収が徐々に進んでいることによる安全保障の問題と国内の企業の能力が低下していることの表れである。

 タカタを買うことのブランドイメージの低下を恐れて国内企業が買収に動かなかったのかもしれないが、それを克服できる力が国内企業に無いことの表れである。

 何故なら日銀の低金利政策でお金は市場にだぶついている筈であり、これからも自動車の安全装置は必要不可欠な製品であるからである。