台風クラブ

 曇り、台風から変わった温帯低気圧により北海道に冷たいか空気が引き込まれ気温も18度と低めである。もう寝苦しい夏の夜は来ないだろう。この温帯低気圧も徐々にその渦も弱まり後は東に移動していくだけである。風も陸地を移動してすっかりなくなってしまった。

 台風の命の源は、太陽で温められた海水から発生する水蒸気である。水蒸気は水を温めると立ち昇る湯気と同じなので温められた空気と一緒に上に登っていく。それが上空の大気で冷やされ水となり更に氷になり雲となる。それだけだと入道雲なのだが、次々と温められた空気が昇ってくれば大気の循環が生まれそれが回転しだすと台風の誕生である。

 今回の台風も、海側(日本海、太平洋)を遡れば北海道に到達する規模の台風となっただろうが、日本列島を沿うように北に向かってきたので上陸した時からエネルギー源である水蒸気の供給が途絶えてしまった。

 エネルギーの供給が止まれば駒と同じで徐々にその回転力を失い渦も消えていく。今回の台風は、上陸した時点で既に台風としての勢いを失ってしまったのである。

 自然界の現象は、教えてもらうとなるほどなと思うし理解しやすいものである。ある意味、こういったものの方が学習の興味を引くと思うのだろうがどうだろう。

 昔、自分が小さい頃は、台風や雷が来ると必ず停電が起こった。今でこそ長時間の停電は電線グリッドの完成で無くなったが、1時間とかの停電は頻繁だった記憶がある。

 家の中は真っ暗で時折なる雷の光や、台風の場合は強い風に揺さぶれる木の枝がこすれる音やいえのかべを叩きつける雨音を聞きながら何かの冒険に出た様な気にさせられたものである。

 台風はそういった年に一度位の経験をする貴重な体験だったのである。むかし、「台風クラブ」という映画があった。全くもってその気分は良くわかった。レンタルビデオでまだ貸出しているだろうか?