アメリカは動かない

 晴れ、気温は13度。空には絹雲が浮かんでいる。暦は8月だがすっかり秋めいてきている。

 昨日の北朝鮮のミサイルは、日本をいたずらに怯えさせる格好の出来事だった。しかし、もし北海道上空を通過せずJアラートが鳴らなければ人事で済ましていただろう。テレビでも言っていたが、スマホが鳴り、防災放送が掛かる風景は、戦時中の空襲警報と同じなのだろうと思った。

 

 戦争中であっても自分の地域に警報が鳴り響かなければ、多くの人は防空壕に避難しなかっただろう。その空気は今も同じだと思う。

引用 TBS(https://news.biglobe.ne.jp/international/0830/tbs_170830_8146287472.html) 

アメリカのトランプ大統領は29日、北朝鮮によるミサイルの発射を強く非難したうえで、「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする声明を発表しました。

 トランプ大統領北朝鮮がミサイルを発射してから半日以上経過した現地29日午前に声明を発表しました。このなかで「金正恩キム・ジョンウン)体制は近隣国や国際社会の最低限の規範に侮蔑を示してきた」と非難したうえで、「地域を脅かし不安定化させる行動は孤立を深めるだけだ」と指摘。さらに、「全ての選択肢はテーブルの上にある」と改めて強い姿勢を示しましたが、具体的な方針や手段についての発信はありません。

 このミサイル発射の後のトランプの発言は、今までの威勢のよさは格好だけだったと思わせるのに十分だった。今の国内での自分の人気の下落とこれに対する対応を支持率につなげるかの天秤に掛けている状況である。

 ある意味北朝鮮のミサイル発射実験はトランプにとって最大の関心事ではない。ある意味威勢の良い脅し文句を伝えていれば相手は折れるだろうと考えている節がある。

 もし北朝鮮と戦闘状態になった時、そこで米軍の兵士が何人犠牲になるかという話である。もし、犠牲者数が多ければアメリカ国内の反発を食らうだろうし、今までの世界で一番でなければならないというアメリカ人の気質も変わり、今の生活状況が良くなることが最大の目標であれば、彼らにとって戦争にアメリカの金を使うよりも労働者に回せと思っているだろう。

 それでも北朝鮮とドンパチ始めるならその戦費は当然日本に求めてくるだろう。いわゆる護衛費の請求というやつである。平和主義を唱える人たちは、自分の国を守るための費用を自衛隊に使うなと言うが、いざとなった時米軍に助けを求めても同じように費用が発生する。自分たちの手で守ろうがアメリカ軍に守ってもらおうが防衛費は日本から出ていくのである。

 そのお金を北朝鮮に回せば少しは自制してくれるかもしれないが、それは街のチンピラにみかじめ料を払うのと同じで、弱みを見せれば相手はしぶとく懐を狙ってくるのは当然で、何も持たなくなった時が縁の切れ目である。覚悟が必要である。


 アメリカの気持ちは、自国民に被害が出ない程度であれば北朝鮮の行動を非難し脅すことで終わりだろう。後は国連の制裁を待つというスタンスで行動するだろう。最近、トランプの側近の辞職が続き、彼のバックボーンが無くなっている。それを補うには時間が足りない状況で彼の手足はしばられてしまっている。