祝 J1残留 対清水 0-2

 晴れ、気温はマイナス11度。寒気と放射冷却で真冬並みの冷え込みとなった。

 土曜日に行われた試合で北海道コンサドーレ札幌は、J1残留を決めることができた。シーズン前半の戦いは、ハッキリ言ってJ1残留は厳しいかなと思わせるところがあったが、夏の補強が成功したことでチーム内の足りない部分が補われ守備も安定し、更に攻撃もそれに合わせて復活した結果である。

 ちょっと土曜日に行われた試合を振り返ってみる。試合はDAZNで見た。

 金曜日にちょっと清水との戦いを予想してみた。その時は、まさかコンサドーレの遠征メンバーに都倉がいないとは知らなかった。

 そういった驚きで先発メンバーを見ていたが、去年J1昇格したころより選手が入れ替わり、横山、早坂、兵藤、石川、ジェイ、チャナティップと半分の選手が先発した。J2で戦っていた頃と違うチームになったといって良い。

 試合は、ホームの清水が積極的にゴールを目指して攻め上がると思っていたが、その攻めを中盤でがっちり受け止めたこともあるのか、逆に札幌の攻撃を警戒して、コンサドーレボールになるとゴール前に4-4のラインを引く。その帰陣のために攻撃の時に攻め込むタイミングが遅れ、コンサドーレの守備網に引っ掛かりコンサドーレの攻撃が続く出だしとなる。

 やはり、清水の攻撃のキーマンとなる選手が故障で出ていないため前線に攻め込む機動力が不足しているのがテレビを見ていて良くわかる展開だった。

 押し気味に試合を進めるコンサドーレだったが、何故かゴール前にジェイがおらず左サイドでボールを受ける姿しかない。何でゴール前に居ないのといぶかっていたが、その理由がわかるジェイのヘディングが決まり先制点がコンサドーレに入る。

 

 何故、ジェイがゴール前に居なかったのか、都倉が先発しておらずもしゴール前にジェイが一人いれば清水も彼を自由にしないようにマークしてくる。そのマークに付かれるのを避け両サイドをフラフラしていた。そして、あの得点の時、突如右サイドから走り込みゴールを決めた格好である。もし、彼が常時ゴール前に居たのなら当然相手DFが張り付いていたのだろうが、外から中へ入ってきたためフリーで打つことができた。頭脳的プレーといえる。

 一点先制したコンサドーレは、少し相手の出方を伺う戦いになる。しかし、やはり受け身ではほころびが出るのが今の実力で、相手を弾き返すことができずゴール前に攻め込まれる。何度かの決定機を清水に与えるも、オフサイドやファール、シュートミスで得点を与えない間に、カウンターで追加点を入れることができた。

 残念ながら守備能力は、清水の攻撃力だから抑えられたレベルであり、J1上位チームのFWなら危なかったのは間違いない。開幕当初より守備は安定してきているが、それも一方的に攻められればドームの新潟戦のようにアタフタするのが現実である。

 そうして、相手に攻めさせながらも無失点に抑え、勝利をもぎ取った。相手の清水も逆転してやろうという執念をチーム全体が共有しておらず、攻撃にちぐはぐさが見て取れた。何としてもこの試合という訳ではなく、それなりに降格候補のチームの中で頭一つ抜け出していることが原因なのか、この試合の重要性が判っている風では無かった。いわゆるチームが空回りしていることで優位にコンサドーレが試合できた。

 これでJ1残留が決まったことで本格的に来季の準備が始まる。この時期は、今いるコンサドーレの選手にとっても慌ただしくなる。その原因は、やはり来季の体制を作る準備が開始されるからである。

 コンサドーレの印象は、ユース上がりの選手を積極的に使う印象があると思うが、J1残留する目的の中でそれを徹底することはできない現実がある。本来なら先発メンバーに数多くの選手が名を連ねていることが理想だが、ユース上がりで先発メンバーといえるのは誰もいない、この試合に出ていた荒野も後半ようやく使われるようになったレベルである。しいて言えばユース出身でないが道内高校出身の宮澤をユースの一人と考えられなくもないというレベルである。

 まことにもって現実は厳しい、開幕当初使われていた、進藤、石井、菅などは、新加入選手にはじかれて試合出場もままならない状態で、ユース期待の星の深井は怪我からのリハビリで今季は終わってしまった。

 この先もユース出身がチームのレギュラーになるのは相当厳しいだろうというのが率直な感想である。今季の先発メンバーの多くが30歳を過ぎた選手ばかりである。若手といえるのはしいて言えば荒野一人、宮澤も若いといっても既に27歳である。J1に残留するために実力本位で選手を選べばそうなってしまったのである。

 来期に向けてこれから選手の出入りが発表されていく、これから相当数の選手が入れ替わるだろう。それがプロの世界の厳しさである。試合に出してもらえなければ自分の実力を示せない。更に出て結果を出さなければ先は無い。出場できなければ出場できるチームに移籍するしかない。そうやって徐々に