未来

 曇り、気温は0度。吹く風が頬に当たると突き刺さるようで寒さが身に染みる。

 

 インターネットから始まり、IoTと呼ばれるものが全てネットにつながる時代が来てしまった。この流れは、この先、頭の中にコンピュータを埋め込む時代がもうすぐ来るだろう。

 こんな世の中を見ると人はどっちの方向に向かって行くのかと思わずにはいられない。何故なら、頭に埋め込んだコンピュータに全ての知識を依存するなら、”まなぶ”という人間本来の能力を捨てることに繋がるのは目に見えている。



 更に労働もロボットが代わりに行う世の中が来れば、人は働くという概念を忘れる。そうなれば、人類誕生の時に生まれながら持っていた食べるために狩りをし、畑を耕し作物を育てるといった人間固有の能力を自ら捨て去ることになる。

 果たして、そのような状況で我々はどういった生活を送るのだろう。あるいは世界はどうなっていくのだろう。結論を言えば人類は滅びていくのだろう。



 人類無き後に地球を征服するのは、他の生き物、あるいはロボット?

 何故なら、考えず、学ばず、働かざるものが地球を支配することはできない。一番地球上で活動するものが地球を支配するのは当然である。

 だから人間が支配する未来はこの先にはない。

 

 そんなSFのような世界がやって来る。そうして、その世界から新しい世界を生み出そうとする一部の人間が他の惑星を目指して地球を飛び出していくのだろう。そのころの地球は、大気は今よりも汚染され、異常気象が続く世界になっているだろうから。ますます、人は部屋の中に閉じこもる生活を余儀なくされる。そうして、人が暮らす環境は今よりもずっと狭くなるはずである。

 その世界に絶望する人間だけが新しい世界を切り拓くことができるはず。絶望は、生きる証でもある。