対鳥栖 3-2

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 すでに2日前になってしまったが、コンサドーレのホーム最終戦とJ1の今季最終戦がドームで行われた。試合開始が午後2時ということで、仕事が終わってから急いで支度をしてドームには30分前に到着。ドーム内のは既に多くのサポーターが入場し、席を探して着席。今日は一人観戦なので何とか座席確保したが、複数で来た人は席を探すのが大変そうだった。

 試合前に華々しく社長自ら来季の監督交代をラジオで宣言したのには驚いた。その状況で指揮を執る四方田監督の心中はいかほどのものか少し中間管理職の身になるとつらいところである。

 試合は、開始早々から札幌の攻撃は全開で、まずはジェイの見事なダイレクトボレーと都倉のシュートの得点でコンサドーレの勢いを見せつける。

 2点リードしたところでゲームはスローダウンする。その中でも鳥栖の攻撃を完璧に封じこれはこのまま行けるぞとドームのサポーターも思ったことだろう。所謂ぬるいという雰囲気がドーム全体を覆う。相手の鳥栖もあっという間の失点で少し呆然としていたのではないかと思う。

 そこにガツンと刺激を入れたのが、相手キーパー権田のジェイに対する抗議である。後で録画を見直すとジェイが相手選手にジェスチャーで2-0と示し揶揄したようだ。

 普段なら主審がなだめておしまいなのだが、あれは絶対ワザとにエキサイトしていたと自分は思う。沈んだチームを相手の抗議で火を付けようとしたプロフェッショナルな行為である。とはいっても本人がそれを意識してやっていたかどうかわからないが。

 それから、相手の鳥栖の攻撃に火が付き、逆にコンサドーレは相手の気迫に押されてしまいプレーが雑になる。確かに、あの後ラフプレーをすれば直ぐにイエローが出そうな状況だったので選手も強く行けなかったのだと思うが、相手にやる気を出させてしまったのは失敗だった。

 その後、相手のFKからの見事なつなぎで1点を返されてしまい、どうしてもコンサドーレが守備的になり防戦一方になってしまい前半終了。

 本来なら追加点を許さず粛々と試合を終わらすのが本来の強豪チームなのだろうが、やはりその域には達していなかった。一点を守り切ろうとする気持ちが積極性を失わせ、後半開始早々に同点にされてしまう。これは来季に向けての課題なのは間違いない。

 その後、鳥栖の勢いも止まり、お互い次を取りに行く膠着した状態になった。見ているサポーターにとっては、負けるより引き分けで最終節を終わらせてくれと思うのは仕方がない。

 しかし、ゲームは終わらなかった。最後の最後に横山のヘディングが決まり、その後リードを守ってコンサドーレが勝利を治める。


 試合後、四方田監督の言葉を聞かずにドームを後にする。だから、来期もコーチとしてコンサドーレに残るという監督の話は聞けなかった。

 もし、四方田監督にJ1上位チームからお誘いがあればきっと他のチームに行ったことだろう。しかし、今の戦い方をしているならJ1上位に食い込むことは無理である。チームの戦力にしても戦い方にしても上に行くには大きな天井がある。それを超えるか超えれないかはやはり監督の力とチームの力が伴わなければならない。

 チームが戦力を揃えても上には行けないし、幾ら監督の能力が優れていても上には行けない。そのバランスに各チーム苦しんでいる処なのである。

 今季の戦いは、負けないための5バックという後方に重心を置い戦いをしてきた。しかし、引き分けではなくそれでも前半は得点を入れられ負けてきた。

 試合をリードしていてこのまま逃げ切ろうとして守りを固めても同点にされる試合が多かった。今のチーム能力で逃げ切れないのは今回の試合でも明らかだった。それでも残留できたのは、夏の補強が間に合ったからに他ならない。ジェイというストライカーがゴールを決めてくれてなければ、更にチャナティップがボールをキープし試合を落ち着けさせることができたことが、更に石川が手薄な左サイドを埋めてくれなければ、勝ち続けるは不可能だった。

 そこに四方田監督の限界が見えた。来季続投しても状況は変わらない。更に相手チームに弱点を突かれれば脆く崩れてしまうような守備ラインが更に研究されればJ1で通用しないのは素人でもわかる。

 攻撃も、後半ジェイが爆発したが、かれが離脱したら都倉一人で得点を入れられるだろうか?さらにヘイスは怪我がちで休みがちでもある。攻撃は水物であるのは間違いない。それで勝つチームを四方田監督は構築できるかというところ。

 

 今季は全て終わり、選手もやり遂げた充実感で一杯だろうが、しかし、これから来季に向けたチーム編成が始まる。既に、石井、増川、金山がチームを離れることが決まった。他にも数名の選手がチームを去るだろう。これは間違いない。更に新加入選手も加わり、レンタルしていた選手の動向も明らかになってくるだろう。

 一般社会では当然のことだが、プロスポーツはその辺りの見極めと選手生命の短さが特異的な感じを持たせる。至る所に青山ありという言葉の通り、どこに行くにしてもそこで骨を埋める覚悟でプレーして欲しい。