低気圧の墓場

 曇り、気温はマイナス8度。幸いにも猛吹雪の被害に会わずに済んで良かった。今の時間でも外は暗い。

 低気圧は、アリューシャン列島の近くに遠のき幾分等圧線の感覚も緩やかになりつつある。ただし、西高東低の気圧配置は変わらず、年内はこの影響を北海道は受け続けることになりそうである。だからまだまだ油断は禁物というところだろう。

 天気図で低気圧がアリューシャン列島付近に低気圧がしばらく停滞しているのをよく見る。冬だけの現象ではなく台風の季節にも温帯低気圧に変わった低気圧が吸い寄せられる。低気圧が停滞し消滅するので「低気圧の墓場」と呼ばれている。

 落ち葉の季節に風が吹くと丁度落ち葉が吹き寄せられる場所を見ることがあるだろう。建物の並びや風の通り道というのが関係しているのだろうことは容易に想像がつく。

 世界には、「低気圧の墓場」と呼ばれるところがもう一つあり、その一つがイギリス近くの北海にある。何故か北半球にだけある。

 更に、そこに吸い寄せられた低気圧は直ぐに衰えるのではなく更に勢力を増して発達する時もある。ある意味そこに停滞することでエネルギーを充電している感じである。

 冬場のアリューシャン列島付近は当然天候も悪く、絶えず荒れた天気が続くので漁業を行う人は、天候の変化を絶えず気にしなければ遭難の憂き目にあうことは必至である。

 自分も天気図を見ながら、自分がこの場所に船で辿り着いたことを想像するのだが、黒い雲が空一面を覆い、時折雷鳴が鳴り響き、強い風と吹き付ける滝のような雨、更に波ははるか頭上まで立ち上がり船は木の葉のように漂うだけという場面である。

 船にしがみついていなければ体は簡単に吹き飛ばされ、船は今にも転覆しそうなのであるが、それは想像の為、転覆はしないのである。

 一度その現場に赴いてみたいと思うが、もし赴くとしたら潜水艦のような転覆しないような乗り物で行く方が良い。潜水艦のような乗り物でも危険かもしれない。