ドーピング

 曇り、気温はマイナス7度。寒いのだけれども体が少し慣れたかもしれない。

引用 サンスポ(http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/20180205/pye18020519460026-n1.html) 

平昌冬季五輪に出場するノルディックスキー距離の選手のうち50人以上について、ドーピング違反の疑いを示す過去の血液データが見つかったと4日付の英紙サンデー・タイムズが報じた。大半はロシア選手だがノルウェー、ドイツ、スウェーデン、イタリアの選手も含まれており、9日の開幕を前に新たな疑惑が浮上した。

 同紙はドイツ公共放送ARDと共に2001~10年の約2000人、1万件以上の検査データを入手したとし、01年以降の五輪や世界選手権で授与された「金」91個を含むメダルの約3分の1の獲得者が血液の異常値を示したという。分析した専門家は、多くは持久力を高めるエリスロポエチン(EPO)を用いた血液ドーピングだと結論づけた。

 今回のドーピングが疑われた理由は、生体パスポートと呼ばれる、継続的な血液データから異常値を見出すという方法である。オリンピック選手で有望な選手は、抜き打ち的にドーピング検査を受けて血液を採取される。そのデータは、多少の変動があれども大きくデータが外れることが無い。もし外れた場合検査機の異常か本人の異常かということになる。

 今回問題になったのは、血中で酸素を運ぶ役目をする赤血球ドーピングというものである。運動する際体の隅々にまで酸素が運ばれなければ筋肉は直ぐに疲労する。それを抑えるため酸素を運ぶ役割を果たす赤血球を増加させるというものである。

 元々正常な人体には赤血球は存在するものだから、血液検査で調べても筋肉増強剤などと違って見つかっても問題ない。そのことを利用して行われているもの。輸血やエリスロポエチンの投与でできるのだから体を極限にまでトレーニングするオリンピック選手にとって他と差をつける最後の手段ともいえる。

 オリンピック選手は特別な存在である。運動能力が優れたものが世界から集まりその時点の世界一を決める戦いである。その世界に足を踏み入れたならやはりトップを狙わざる負えないし、他のどの世界大会よりも価値がある大会である。ここでの優勝で得られる名誉や地位は別物だろう。だから、競技者は自分の体を極限にまで鍛えコンマ何秒の争いを繰り広げる。

 以前も書いたが、ここまで来て争われてくると、生まれつきの運動能力を高めるしかなくなる。それがどんな奇形を生もうとも狂気の世界では正義になる。勝利こそすべてという考えが唯一の心理となるのである。

 極限まで鍛えた体の勝負というものに興味は大いにあるのだけれど、反面、こういった行為が裏で蔓延していると聞くとやはり白けてしまうのも事実である。