フェーン現象に思う

 晴れ、気温は5度。日中は気温が高くなるとの予報で、特にオホーツク海側では20度を超えるところがありそうということである。

 この時期にこの気温になるのは95年振りとニュースで報じていたが、この時期にオホーツク海側の気温が高くなるのは、フェーン現象によっておこる。

 天気図を見ると低気圧が樺太付近を西から東へ移動するのだが、その際北海道に西から東へ強い風が吹く。そして、宗谷地方には、天塩山地北見山地が北から南に横たわっている。

 そのため強い風に押された空気の塊が物理的な力によって地上から山の頂上に向けて移動する。これは、熱対流による空気の上昇ではなくあくまでも物理的な力によって起こされるため、地上の気圧の高い状態の空気が気圧の低い高度まで持ち上げられる。

 その時空気に含まれた湿度は、雨となり山を越えた時には乾燥した空気になる。乾いた空気がそのまま地上に吹き下ろされると乾燥断熱減率により冷たい空気の温度が上昇する。

 それが今日起こるという訳である。

 この現象が起こるのは4月5月の時期で3月に起こることは珍しい。すべて異常という言葉でひとくくりすることは危険だが、今の時代、気象に関してはどんどん変動の幅が大きくなるということが常識になっている。

 それに対して人類が対応するために温室効果ガスの排出抑制とか言われていたが、人口が増えれば増えるほどその対策は追いつかない。

 

 異常という言葉が言い尽くされれば以上も平常ということになる。言うなれば今は異常が当たり前として受け取られるまでの過度期という訳で、数100年後は、穏やかな状態が異常ということになっている可能性が高いのだろう。