対湘南 1-0

 晴れ、気温は10度。夜は雨交じりの雪という予報なのでこの天気のよさに惑わされてはいけない。

 昨日はDAZNコンサドーレの試合を見た。

 徐々に監督の意図する試合運びは完成しつつあるのではないかと思う。相手の間に通すパス、中盤でボールを保持したらラインの裏側に走る動き、相手にボールを奪われたらパスコースを消しつつ囲みインターセプト或いはアタックしてボールを奪う。

 

 開幕当初なら、選手の動きはぎこちなくパスが通らない或いはミスパスを繰り返し、守備では上がったバックラインが戻り切れずピンチを作るといったことが数多くあった。

 

 試合を重ねるごとに選手のカバーの動きが浸透したのか最終ラインに戻る選手の動きがようやく身に付き守備も安定してきた。この陰には四方田コーチの働きかけがあったのだと思う。言うなれば堅守だった昨年の動きを上手く融合した形である。

 前でボールを奪えれば相手はゴール前に迫る機会が減る。そうなれば相手に得点を許す機会が減る。ゴール前をいくら固めて待っていても危険な領域に相手選手が簡単に入り込まれてはリスクは増えるという簡単な理屈なのだが、長らくコンサドーレはその理屈さえも分からず、兎に角格上の相手に対しては人数を掛けて守るというルールが守られてきた。

 丁度、相手の湘南がそのゴール前をしっかり守り奪ったらカウンターという試合をしていた。確かに最終ラインを6人で横並びに守りを固めてしまうとコンサドーレの得意なサイドからえぐりボールを上げるという攻撃がしにくくなる。前半、サイドをえぐられてピンチを招いていたので後半はそういった守り方に変えてきたのだ。

 そうなると中々コンサドーレも攻撃が手詰まりになり攻めあぐねていたのは見てのとおりである。しかし、そういったがちがちに守りを固めると、ボールを奪う位置がどうしてもセンターライン付近がせいぜいでゴール前にボールを運ぶまでの時間が長くなる。そうすると折角カウンターで得点を狙っているゴール前に守備の選手が戻り切る時間ができてしまうということである。

 

 もし、湘南に快速のFWかウィングがいれば状況が変わるが、相手のカウンターに備える選手が居ればそこそこ危険な芽を摘むことが出来ていた。

 そうは言いながらもゴール前を固める相手にサイドからの切り崩しが難しい中、コンサドーレも強引に相手を引き剥がしボールをゴール前に上げるが、シュートの精度が足りずゴール枠内に行かない。都倉選手とヘイス選手のゴールポストに阻まれたシュートシーンが2度あってどちらかが決まっていればというチャンスは作った。

 相手の湘南も勝ち点1でOKという戦いに切り替えてからは、コンサドーレも攻めっぱなしだったが、アディショナルタイムに入ってからの都倉選手のシュートが決まり勝利を刻む。

 試合後テレビカメラに映るミシャ監督の顔が興奮で赤く染まっていた。

 これで勝ち点11となり去年と比べてもハッキリわかるスタートダッシュに成功した。後は、このまま自信を深めてチャンスを確実にモノにできるチームを作り上げれば完璧である。完成系に近づけばそこに落とし穴が見えてくるもので、完成系を更に進化させるときが要注意だろう。

 過密日程を乗り越え中断期間までに順位を上位に保てれば言うことない。中断期間後は相手チームもチーム力が完成したり、補強を考えたりして簡単には勝てなくなるのは明らかなので、このスタートダッシュは本当に上手くいった。