米朝首脳会談の行方

 晴れ、気温13度。すがすがしい朝を迎えている。

引用 ニューズウィーク日本版(https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10224.php) 

トランプ米大統領は22日、来月12日にシンガポールで開催予定の米朝首脳会談が実現しない「確率が高い」との認識を示し、一定の条件が満たされなければ、会談が中止、もしくは延期される可能性に言及した。

 結局、北朝鮮の何時もの作戦に引っ掛かったということだろう。金正恩も代々の親の系譜を引き継ぎ、外交手腕もそれを真似て行っているのだろう。

 同じ手に何度も引っ掛かるかどうか、アメリカの対応を見守るしかない。トランプ氏も文氏もノーベル平和賞という名誉を獲得するために欲をかいて交渉のテーブルに着いた拙速感は否めない。

 文氏も自分が大統領職にある内に国史に名を遺すことを焦りすぎたのだろう。そうでなければ、あの熱烈な友好を深める段取りは、却ってこちら側から見れば異様に見えた。その事は、以下の引用記事に語られているように、北の保証人という形で表現されている。

引用 朝鮮日報http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/05/23/2018052300665.html

文大統領はまた、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が南北首脳会談の「徒歩の橋」での会話などで明らかにした非核化計画と、北朝鮮が米国に要求している、いわゆる「体制保証案」について説明した。文大統領は、北朝鮮の最近の行動は非核化に対する「変心」ではなく、米国の確実な「体制保証」を要求しているものだと強調したという。このため、文大統領は米国と北朝鮮の「仲介者」から、北朝鮮に対する「保証人」という役割まで自任しているのではとの見方もある。さらに、文大統領は「米朝首脳会談成功を助け、トランプ大統領と共にする」とも語った。その一方で、「金正恩委員長は誠意を見せ、非核化の決断をした」と評価もした。

 トランプ氏もこの会談を成功させ北朝鮮を屈服させれば、国内での支持率は上がるだろうと予想しているものと思える。武力という力で相手を屈服させるのではなく、相手が譲歩することでアメリカの力を誇示できると考えていたものと思われる。

 

 トランプ氏にとって大統領再選は自分の人生において一大イベントである。一期で退陣するとなると歴代の大統領と比較された場合見劣りすると思っているに違いない。

 しかし、アメリカが北朝鮮に対してこれほど譲歩する訳は、何らかの力が働いているのだろうなと考える。その力の主が、北朝鮮シンパなのか中国なのか不明だが、北朝鮮を攻撃することを躊躇わせる何かがやはりあることをうかがわせるには十分な行動である。

 国と国との交渉にそれ以外のものが加わることは珍しくない。中東における今までのアメリカの介入は、石油資本の影響が大きいと言われている。

 そのことから考えるに北朝鮮アメリカに対して持つ最後の切り札的何かがあるということになる。これだけ強硬な経済制裁は、北朝鮮国内に波乱を起こさせるには十分な緊張を与えているのは間違いない。その落ちるか落ちないかのバランス感覚は、ある意味危険なことであると言える。