スズメバチの駆除

 晴れ、気温は16度。今日は真夏日の予報である。日差しの強さを感じるがこのくらいではまだまだ序の口でこれから勢いを増すはず。

 

 庭に何やら大きな蜂が目に付くなと思っていたら何とスズメバチだった。どこかに巣があるのだろう、まさか自分の家に巣があるはずは無いと信じていたら、大変な事実に。

 何と、塀に取り付けた植え込みの根元に巣を作ったらしい。よく観察すると大きなスズメバチが2,3匹出入りしているのが家の窓から見えた。

 これは大変なことである。急いで役所か駆除業者に連絡しなければと思い、まずはネットで検索する。そうすると色々判ってきた。

 北海道のスズメバチは1年しか生存しないこと。最後に女王蜂が生んだメス蜂は冬の間冬眠し、春と共に活動を開始する。5月頃から活動を始めた蜂は、まず低いところに巣を作り、沢山の働きバチの幼虫を育てる。その間、女王蜂も巣作りと共に餌を探すなどの働きバチと同様のことをする。そうして、夏頃働きバチが沢山成長した頃にそれまでの巣を捨て家の軒先などに大きなスズメバチの巣を作るということである。


 5月、6月の頃のスズメバチは比較的おとなしく攻撃的ではないと書いてある。実際、庭に出て作業をしていても刺されるようなことは無かった。もしかするとそのままにしておいても実害はないかもしれないが、通りに面しており、庭いじりとかでその近くにいることが多いので、自分以外にも家族や通行する人に被害が起きれば大変なことになる。

 そこで、丁度植え込みが塀に作り付けの花壇状になっているのでそれを含めてビニールで覆い閉じ込めてしまおうと考えた。それ様のビニールは無いし、閉じ込めた後の殺虫剤が必要になるので、ホームセンターに買い出しに出かけた。

 ネットで調べて得た情報によると、ゴキブリ用の駆除剤が有効であるということ、噴霧式と燻煙式の両方があるということが判ったのでそれを探したのだが、生憎北海道はゴキブリが生息しないということがあるため売り場は殆どハエ蚊蟻などの物が殆どで、かろうじて「ゴキジェット」というスプレーがあった。一本では足りないのではと思い2本購入した。

 残りのビニールは、家庭菜園用の少し大きめのビニールを撒いたものを購入後はビニールを止める布テープで占めて2千円くらいとなった。

 家に着いた頃はまだ夕方で活動的な時間帯だったが、急いで作業に取り掛かった。まず植え込み全体をビニールで覆い、隙間が無いように布テープで固定、一重だと少しの力で穴が開いてしまうので念のため三重にしておいた。その後、ビニール越しに殺虫剤を一本全てを使い切る形で噴霧する。ここで燻煙式の殺虫剤があれば好都合だったが手に入らなかったので、3か所ほど位置を変えノズルをビニール越しに突き刺す形で処理した。

 次の日の朝、巣の周囲を一匹のスズメバチが飛んでいた。もしかすると巣を離れていた女王蜂なのかもしれない。彼らにとって人間を攻撃するために巣作りをするのではなくあくまでも生存のための行為である。人間の生活環境が彼らの生活環境と接していることが問題なだけである。

 1年しか生きられないその時間の中で、自分たちの子孫を残すために行動している訳で、何となく同情心が沸いては来る。あの植え込みの巣の中には彼らの子供が沢山いるのかもしれない。というような感傷も覚えるが、やはりそれで人が命を失うことがあるようでは本末転倒で致し方ないところである。

 現状、これで巣が退治できたかまだ分からない。1,2週間このままの状態にして様子見の状態である。しかし、幼虫も働きバチが餌を運んでこなければ生きられない。また、高温に弱いらしいのでビニールを掛けた中は40度以上にはなると思われるので、その気温で生き延びられないだろう。

 まだ、最初の巣作りの段階で良かった。もしこれが大きな巣で何百匹のスズメバチが生活していたなら専門の業者の力を借りなければ退治は難しかったことだろう。

 だけれどもスズメバチの行動範囲は広い、もしかすると家だけではなく近所のどこかでせっせと巣作りしている可能性は高い。