国家間対立

 曇り、気温はマイナス3度.

 世界は、色々とげとげしくなってきた.その原因の一つは、情報量の多さである.以前ならこそこそ陰でやっていて多くの人が事実を知らないで過ごしていたことが、誰かが情報を発信することで世界中に情報が広まることになった.
 いうなれば誰かがくしゃみすれば世界の裏側でそのくしゃみの音が聞こえるようになってきているということである.昔なら、そういったことがわからずに過ごせたのだが、それがわかるようになると人と人との関係だけではなく、国と国との関係も情報としてあふれてくることになる.
 
 その影響は、独裁国家ほど大きい.中国などは自分たちの国民に知らせる情報を制限しようと国を挙げて不要な情報をブロックしようとしている.自らの統治に悪影響を及ぼす要因を減らすためである.国民に不要な情報は必要ない.多くの国民を自分たちの進むべき方向に向けるためには、自分たちの都合の良い情報だけを見させておくに限る.戦時中の日本が国民には各地で大戦果を挙げているという情報を与え続けることで国民が国に協力したことが好例である.正しい情報を与えず都合の良い情報を与えるというのは、日本に限らずどこの国でも少なからず行っていることである.

 インターネットの黎明期、インターネット上には正しい情報が存在すると信じられていた.それは、新しい道具を作った人たちが、この道具で新しい社会を作り出すために必要だと考えたからである.更にその発展を進めるため多くの人が簡単にその輪の中に加わることができるようにすると、徐々に悪意のあるものもその中に混じるようになってきた.うその情報を流したり、誰かを貶めるための情報を流すことが始まり、たちまちインターネット上の情報は玉石混合の状況になってきている.

 今までの社会を変える道具だった技術は、正しいことをする人たちよりも悪いことをしよう、あるいは無意識でも結果正しいことに反する結果を生むようなことをしてしまう人により大きく変化している.

 インターネットという道具で、国境を超えたコミュニティが誕生するはずであった.それが発展すれば国境という概念が徐々に曖昧となり、世界が一つになる可能性もあったが、それを良しとしない勢力は当然多く、国としてのアイデンティティを失わないためにも却って国家を意識することになる.その結果が、今の国対国の争いに影響を与えている.
 
 今回の、レーダー照射事件(本当は瀬取り事件?)などはその典型かもしれない、国と国が情報をお互い世界中に発信するなどということは考えられなかったことである.今後このようなことが当たり前になると、インターネットは国対国との情報戦の道具として使われる可能性が高い.

 しかし、今回の事件、韓国軍がレーダを発射したことを認めないというのは、本当に日本を友好国と認めていないということになる.それで正常な外交交渉が今後も行われていくとは考えられない.
 歴史教科書がそもそも日本を敵国と扱い、それを使って教育された子供が大人になり今があるのだから、友好国という言葉は日本から見てみれば幻想でしかないのかもしれない.個々の韓国人が日本に対して敵意を持たなくとも国家単位で敵意をむき出しにするのだとしたら今までの日本の対応は間違っていたというしかない.