洗脳

 晴れ、気温はマイナス9度.随分と日の出の時間が早くなった.外は朝の6時ころには既に景色が見えるくらいの明るさになっている.春分の日が近付くのだから当たり前なのだけれど、地球が動いているのが実感できる.

gigazine.net

GIGAZINEの記事に気になるものがあった.

 Facebookの公開されたデータの中にある規約に違反したデータを見つけて削除する仕事についている人たちが、その仕事をすることで短期間に異常な行為、行動を取るというものである.

 その仕事は、モデレーターという名前が付いた仕事で下請けの会社が請け負い行っているらしい.Facebookも直接雇用して仕事をやらせると短期間で異常をきたすのだから自社でも問題になるような分野と言える.

 

 今回、気になったのは、そういった仕事による異常の発症である.この記事で上げられているのは、「 パニック障害を発症する従業員や、陰謀論を信じるようになり銃を携帯するようになった従業員、職場で性行為やマリファナにふけることで落ち着きを取り戻す従業員の存在」である.

 

 その中で更に気になったのが、「日々陰謀論のムービーを見ているうちに考え方が変化し、ホロコーストに疑問を持つようになったという従業員もいれば、「アメリカ同時多発テロ事件はテロ攻撃だと思わなくなった」として、枕元に銃を置いて眠るようになったと語る従業員も存在します。」である.

 

 毎日特定の思想に晒されていると、職業でそれを見ているという自覚があってもいわゆる「洗脳」されてしまうという事実である.

 

 人が望んで情報を仕入れるようになれば、偏った知識により考え方が変わってしまうというのは理解できるが、仕事としてその情報に触れているだけでも洗脳されていくことの驚きである.

 

 人は社会に出れば何らかの職業に就き特定の情報に接する機会が多くなるだろう.職種により異なる知識に触れることになる.ただし、一般的に言って洗脳されるほどの過激な情報を得ることはない.しかし、軽微だけれど偏った情報による間違った先入観を持ってしまうこともある.

 

 現代は、情報の取捨選択を行わなければならないほど溢れている.その情報に気軽に接することができるため、その情報を突き詰めていけば相当量のボリュームで得ることができてしまう.

 

 また、その情報が正しいのか正しくないのかわからないまま妄信してしまう可能性が非常に高いのも事実である.いうなれば「悪貨が良貨を駆逐する」のたとえ通り、うその混じった言葉の方が真実味があれば本当の真実はぼかされてしまう.

 そして、真実を伝えることは非常に難しいことで、どこかに脚色が入ればそれは真実に似た嘘ということも事実である.

 

 上にあげたように、間違った情報が氾濫すればそれを自分自身で嘘か本当か見分ける能力が必要になり、その能力が試されるということである.そして、それも能力ではなく、うその情報に接することが多ければ洗脳されてしまうこともありうるということである.

 

 そして、非常に大事なことは、世の中の大部分の人が嘘を一端真実と信じてしまえ

ば、真実を語る人は嘘つき呼ばわりされるということである.

 真実とされていることにも本当は間違ったことである可能性がある.洗脳されていないか自分で確かめる努力が必要である.