メキシコの影

 日本では、沢尻エリカのMDMAの事件が大きく取り上げられているところだが、その供給源であるメキシコでのことである.

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 メキシコはれっきとした国家である.そしてその治安を司る治安部隊が麻薬組織と銃撃戦を行うという事実に驚愕する.日本でも山口組の抗争で一人自動小銃で暗殺されるという事件があったが、その何倍も上手を行く規模である.

 この事件がどのような理由で起きたか詳細は不明である.メキシコなら日常茶飯事の出来事なのだろう.

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 自分は日本にいてメキシコがどのような状態なのか判らないし、メキシコ人の知り合いもいない状態である.だからこのようなニュースを見るたびにメキシコは、政府と麻薬組織がお互い別々に統治しているのだと勝手に想像している.

 国内に張りめぐされた麻薬組織の力が強力だというのは上の事件でもよくわかる.麻薬組織は治安部隊と同等の武力を持ち、更に警察や軍隊、更に市長などの役人に仲間を持つという外見上は政府と戦っているがそれは上辺だけで裏では手を握り合っている関係であることが伺われる.

 もしかすると日本の裏社会もそういった関係を密かに結んでいるのかも知らないが、メキシコと比べれば月とスッポンである.

 

 このメキシコに対してアメリカは、麻薬組織をテロ組織と認定しようとしている.香港の件ではないが、何故、メキシコの国内問題をアメリカが持ち出すのか不思議に思うかもしれないが、アメリカとメキシコは地続きであり、両国の人の行き来は盛んである.人の行き来の中に紛れ不法移民や麻薬の持ち込みなどが頻繁に行われており、アメリカに及ぼす影響は大きい.

 そこでトランプは、メキシコとの国境に壁を作ろうとしている.壁の無意味さを非難されるが、少しでもその流れを止めたいという気持ちはよくわかる.

 それは、自分の庭を他人が無断で横切っていくのに腹を立て境界に塀を立てたくなる気持ちと同じだろう.

 メキシコは、ラテン国家であり陽気で音楽をバックに踊ってばかりいるような印象を持つが、実際は、生きるために他の人を食い物にすることを選んだ国なのであろう.

 全てのメキシコ人が悪であると言っているわけではない.しかし、知らず知らずに他の国に滅びの薬を売る人間たちに加担してしまっているというのが現実なのだろう.