北海道で芝生を育てる(水やり)

 曇り、気温は13度.半袖では寒い.ちょっと寒い日が続いている.

 

 土曜日に芝生の手入れの話を書いたのだが、北海道で芝生を育てるには、色々な点で注意しなければならない.そのことをちょっと書いてみる.

 

 芝生を育てるうえで気になるのは、やはり水やりのタイミングである.北海道で主に使われているケンタッキーブルーグラスではどうなのか.その辺りの事を書いてみる.

 

 北海道の芝生の時期は大きく分けて3つある.春(4,5月)、夏(6,7,8月)、秋(9、10,11月)で、これ以外の時期は殆ど雪に覆われてしまう.

 春は、漸く雪の下から顔を出し新しい目を出そうとしている時期である.暖かい日もあれば寒い日もあるので水やりのタイミングが難しいが、基本的には肥料を撒いたり、ローンスパイクで穴あけしたりなどの何らかの作業を行った時に散水するのが良いだろう.特に毎日とか散水してもまだしっかりと芝生は目覚めていない時期なのでびっくりさせない方が良いと考えている.目覚めの時期は徐々に徐々に起こすようにしてあげるのが良いと考えている.

 夏になれば、日差しも強くなり気温も上がったり下がったりを繰り返すようになる.特に6月は新しい芽を出し、成長が著しい時期である.6月に関しては、葉の状態を見ながら散水をする.その葉の状態は、緑色が少しくすんで見える時が水やりのタイミングである.毎日撒いていると芝生の根も張りにくくなるので少し水分が十分という状態より不足気味の状態の方が良い.そうすれば根も水分を求め地中深くまで根を伸ばしていくようになっていく.

 そして本当に暑い夏を迎えると、寒い時期に強い北海道の芝が苦手な時期を迎えることになる.この時期は毎日、あるいは一日おきに散水する必要がある(ただし当然雨が降ればその日は散水したと考える).それでも暑さにやられた芝生は、密だったものがだんだん疎になり緑の中に枯れた部分が目立つようになってくる.そうなるのは当然と考え無理に大量の水を散水する必要はない.この時期はそういうもんだとあきらめるのが肝心である.

 芝生が弱ってきたからといって肥料を撒いたりするとそれが逆効果になり肥料負けすることがあるから要注意である.

 またちめった状態が長く続くと、芝生ににょきにょきとキノコが生えてくる.これに関しては、一晩で一遍に生えてくるのでびっくりすることだろう.一本一本手で抜いても良いのだが、余りにも多く生えてくるので抜く手間がもったいない.そこで芝刈りと一緒にキノコも刈り取ってしまうのが良いと思う.それでも雨が続けば生えてくるので気になれば抜くというのが良いと思う.本当に良い天気になれば一瞬でキノコが枯れるように縮んでしまうので晴れた日を待つのも良いだろう.キノコの生える時期は北海道では一瞬である.雨が降らなくても、結構な頻度で水やりをしているとキノコが生えてくるのは、諦めるしかない.

 暑い夏が過ぎ秋風が吹くころ、徐々に芝生も息を吹き返し成長が始まる.この時期に肥料を撒くと春先のようにきれいな芝生になってくる.散水も葉の状況を見ながら適度にすると夏の時期にあれほど弱っていた状況から盛り返すので凄いなと思う時期でもある.

 秋風吹き、徐々に気温が下がり始めたら水やりは基本的に行わない.春先と同じように、何か芝生に作業を行った時に散水する程度で問題ない.この時期は、冬を越しまた春に綺麗な芝生にするための作業である枯草の除去や、穴あけ、肥料の追加などを行いながら雪の下で上手に眠れるようにしておく.

 

 まとめると、気温が低い時期は水やりを控え基本的に何らかの作業を芝生に加えたときに行う.外気温が20度を超す日が続くようなら週に2,3度にし、30度を超すような日が続くようなら毎日行うというのが良いと思う.気温の低い日は、日中に散水を行い、気温の高い日は、朝か夕に行うのが良いと思う.但し、この作業を上手に手抜くには芝生の葉の状態を朝仕事に出かける時に確認し、仕事から帰ってきたら水を撒き、時にはその前に芝生を刈るというのが良いと思う.夏の時期は、夕方くらいでも外は明るいし丁度良い気晴らしになる.

 

 きれいな芝生を見ていると気持ちも和むし、周りに咲く花も緑に映えて美しく見える.それを楽しむために少々の努力は必要である.雑草が生え、ところどころ枯れてしまい茶色く剥げてしまった芝生では心も落ち着かない.その所のバランスを上手くとりながらやってみると良いだろう.