お酒は毒

 曇り、気温はマイナス5度.風が強いため寒さは非常に感じる.

 

 巣ごもり中の人が多く、却って宅飲み等で飲酒量が増えている方もいるのではないだろうか.自分もその口で、今まで自宅では殆ど飲まなかったけれどついつい晩酌をしてしまう日が増えている.

 アルコールは、人類が誕生し文明が発達してきたころから既に摂取してきた歴史がある.それほど長い期間人類の中でともにあったということである.

 ブラタモリの村上海賊の回では、城があった島で多くの宴会があったと報じていた.何か事あるたびあるいは何もなくとも宴会をしていた.

 お酒を飲むと体調が変化する.それが酔っ払ったということなのだが、何故、人はアルコールで酔うのかというと、血中に取り込まれたアルコールは、脳血流関門という普段は不要な物質から守られている防御機構を易々と突破する.そのため、直接脳内の神経細胞に作用することになる.

 作用的には、神経伝達路の機序を阻害することで意識がもうろうとし、所謂酩酊状態を引き起こす.

 本来なら有害物質に守られているはずだが、その防御が効かない危険な状態にあると言って良い.しかし、その危険な状態に陥ることが人間の快楽の一つになっている.だから、人類は刺激のある液体を飲むことに躊躇しなくなったわけである.

 しかし、残念ながら快楽は持続しない.酩酊状態が強くなれば人は意識を失ってしまうためそれ以上の飲酒はできなくなるわけで、その後には二日酔いという症状が襲ってくる.

 そして、人間の体に取り込まれたアルコールは、肝臓で分解されて排泄されるのだが、その分解される際、アセトアルデヒドという有害物質を作り出す.そして、更に分解され無害化されるのだが、全てが簡単に分解されるようには人間の体は出来ていない.その循環している間に人間の細胞を傷つけている.

 お酒は百薬の長と呼ばれているが、実際は人間にとっては有害な物質なのである.摂取しない方が良いともいえる.しかし、人間との付き合いの長い飲み物なので、簡単にこの世から消し去ることはできない.そこで出てきたのが、適量なら害はないという説である.その適量というのが問題なのである.アルコールを分解するにしても得意な人と不得意な人が存在し、ある人には適量でもある人には不適量ということがある.更に酔うと自制が効かなくなるため適量を守ることは難しくなる.

 

 飲まないに越したことは無いが、飲む時にはそれなりの自制が必要だが、上に書いたようにそのガードが緩んだ状態になりやすいのが問題なのである.それが人間の性なのだが、飲酒が快楽の元であればそれを止められなくなり中毒にもなるわけである.

 

 自分でも宅飲みをするようになってからついついアルコール類を常備するようになってしまった.目につくところ、例えば冷蔵庫内に有ればつい手に取ってしまうことにもなる.

 それでも今のところ自制内で収まっているのであれだが、こういう文章を書いて今一度お酒は毒だと再認識しているわけである.