深層水とは文字通り、海の奥深くの海底に広がる水のことである。普通海水は、海流に乗って移動するが、海の底ではその流れはきわめて遅い部分がある。
そこは太陽の光も受けずひっそりと静まり返っているはずである。
ふとした時その海底の景色を思い浮かべる事がある。そして自分もその海底の水と同化し表層を流れる海水を感じながらそこに漂い続ける姿を想像する事がある。
時代の流れに逆らい、その流れに動じない自分を想像するのである。
海面近くの水は絶えず流れ流動的でも自分の流れを見失わない存在、或いは自分の忙しすぎる環境に対して、ゆっくり怠惰を貪る日常を想像するのである。
何時か人として消え去る時、そうなるのが自分の願いである。