福岡 vs 札幌

博多の森で行われた、札幌にとってアウェイの戦い。CSで観戦。

 福岡の気温が30度、北海道の気温が10度前後、その差20度。この気温差が札幌の動きを止めてしまうのか。更に、曽田選手が発熱で欠場という札幌のセンターバック2人とも欠場という状況。変わりにセンターバックが西嶋選手と西澤選手が入り、サイドはカウエ選手と池内選手が勤める。その空いたボランチに大塚選手と言う布陣となった。

 これまでこの組み合わせは無かったため連携が心配になる。気温と選手という状況を三浦監督を含めたコーチ陣がどのように試合を進めていくかが気になるところだった。

 前半の札幌は、いつものように相手の味方を見極め、前線のダヴィ選手と中山選手の頭をめがけて蹴り込むか西谷選手のサイドからの折り返しで攻め込む。
 
 暑さのためかやや動きが遅く、福岡の選手に球を奪われることも多い。そして最初のチャンスは札幌。FKからのチャンスからフリーになった池内選手のヘッドが外れる。 
 その後直ぐの福岡の素晴らしいパス交換から札幌のゴール前に運ばれ、上手くマークを外されたリンコン選手のシュートが決まり、福岡に先制される。

 その後も福岡が攻め込むが、札幌は良くしのぎ、さらに反撃を見せるがビッグチャンスを決められず。
 しかし1点リードし地元の福岡の選手が、天を仰ぎ苦しそうな顔を見せる。この暑さは福岡の選手にとっても苦痛のようだ。
 
 前半は、1-0で終了。

 後半開始早々、札幌の攻撃、ゴール前で大塚選手のシュートが相手選手に当たりそれをつめた西谷選手がシュート。これで同点。

 同点となった後は福岡の選手の足が止まり始めた。その後は、札幌のダヴィ選手の惜しいシュートの連続。見事に枠を外れるかキーパーの好守に阻まれる。ついていない。
 足の止まった福岡は、最後は引き分け狙いの交代を始める。それに対して札幌は、石井選手を入れ勝ち越しを狙う。この采配が試合を分けた事になった。
 後半、攻めあがった福岡のボールをカットした砂川選手がサイドを駆け上がる。福岡の選手は追いすがるのがやっとの状態。見事なパスが通り走りこんだ石井選手がシュート。
 1-2と札幌が逆転。このまま札幌は時間を進め試合終了。

 

 選手の質としては、決して札幌が勝っているわけではない。ゲームでの約束事が札幌の方がハッキリしていることと。走り負けない体力がある。それが、勝利の経験から更に試合運びのコツを学んでいるようである。
 普通ならレギュラーが欠け苦しい試合になるはずが、誰が変わりに入っても自分の役割が分かるようだ。それが他のチームと違うところである。

 三浦監督がまず守備から入ったのは正しかった。去年までの柳下監督の下で養った攻撃の仕組みは選手に身についているのだから、最初は守りそれが軌道に乗る事で攻撃にも力を入れやすくなる。その相乗効果が今の札幌の強さだろう。

 しかし、三浦監督の手腕を褒めないわけにはいかない。そしてそれに答える札幌の選手の能力の高さも評価に値するだろう。少なくとも今までの5段階計画が曲がりながらもあったから今の札幌がある。前社長の決断は正しかった。

 まだ、半分終わっていないうちに浮かれてしまっても不味いのだが、力はある。しかし、その力は、まだ本物ではない。この先の戦いがより一層チームを成長させるのだと思う。