それでも日本

またもや世間に表出した話題。牛肉偽装。

 今回は、豚肉、それも心臓とか期限切れを使用したという話だが、以前も食肉業界では、BSE対策の補助金目当てに、輸入肉を国産と偽った件。

 肉加工にかかわらず、肉販売店など不正が当たり前に行われている現実があり、他でやって儲けているのなら自分たちもやらなきゃ損という体質が根本にあるのだと思う。

 今回、農水省が他の施設でも立ち入り検査をするようだが、全て明らかになった場合、肉関係は全滅の可能性すらある。一度徹底的に膿を出さなければ間違いなくまた何年もすれば同様の事件がおきるだろう。

 今回の発覚は、内部告発だろうが、今後、企業内の問題を内部告発されるケースが多くなるだろうことは間違いない。内部告発できないようにするのが正しいやり方ではなく、内部告発されないようにきちんと法令を守る努力が必要になると同時に、内部告発されても大丈夫なように情報開示も必要になるだろう。

 今回の事件も、農水省の指導のあり方が問題なのかもしれない。牛肉偽装や産地偽装など、その場の処理は行うが、根本的な解決策を取らなかった部分、行政の監督権限の弱さが出た問題だと思う。
 その原因の一つとして、担当者が2,3年おきに変わってしまうという事実だろう。変わらないことでまた問題が起きやすくなるということもあるだろうが、2,3年で移動するならその場しのぎをすれば別のものが代わりにやってくれるという意識があるのではないだろうか。
 人間、何年も掛かる懸案を、自分がもう少しで代わるなら後回しにしてしまおうと考えるものである。ましてやその改善を途中で任され居なくなる様な事態は後任の者にとっても最悪である。

 渋谷の天然ガス爆発事故もそう。何事もおきなければ後回し。事が起こってから大騒ぎ。更に現場には全てを把握できるようなエキスパートが不在。まさしく日本の現状そのものである。

 こうしてまた次の日の朝が無事に来るのだから良しとするべきなのだろう。これが、戦争でも起こされ次の日の朝は焼け野原というよりまだましなのかもしれない。

 まさしく「何とかなるさ」の世界なのかもしれない。