宮澤元首相逝去

昨日、宮澤喜一元首相が老衰で亡くなった。天寿を全うしたといってよい。

 
 しかし、この人の政治家としての資質には疑問符をもつ。
 東大を卒業後大蔵省に入り、その後政界入り。エリート中のエリートである。また英語は堪能で、記憶力も良かった。

 全く能吏としては、この人の右に出る人は居なかっただろう。しかし、首相の器ではなかったと思う。小学校で言えば、成績の良い真面目な優等生に学級委員長をさせたようなものである。

 確かに頭脳明晰だが、勝負勘がなさすぎた。バブル崩壊後の日本経済の再建のため蔵相を任されもしたが、ぱっとしなかった。周りの期待も多かっただけに、その政策が上手く行かないときの落胆度は大きかったように思う。

 現在の財政赤字の責任を負うべき人物として、中曽根元首相と共に上げられる人であろう。
 まああの時期は誰がやっても同じだったかもしれないし、何もやらないことの方が正解だったかもしれない。そんな時代に運悪く当たったというべきか。

 その後、バブルからの経済崩壊から漸く脱却したいま、宮澤さん、それ誰、何をした人だったろうかと国民の大多数が思っているのではないだろうか。それ程時の流れは記憶を風化させる。
 今日の朝刊で、その政界での軌跡を読むことであの頃を思い出す人も多いはずである。

 あとあの独特の風貌から、「ヨーダ」と呼ばれていたが、死ぬ前にフォースは手に入れたのだろうか?