京都 vs 札幌

猛暑の西京極で行われた試合。CS録画観戦。

 普段なら午後7時開始なはずが、今回は、午後5時20分という変則的な開始。まだ西日が残り外気温も30度を超える中試合開始された。

 試合開始直後は、お互いにポゼッションを重視して始まった。ホームの京都は、札幌の出方を伺いながら攻めようと言う気持ちらしい。少し慎重な立ち上がりに比べ、札幌は何時ものとおり、前線の二人にボールを当てて攻めると言うやり方で試合を始める。

 この札幌の試合運び、前線の二人がずっと試合に出場を続け、試合に出続けることで周囲とのタイミングが合ってきたのか、技術的にもポストプレーは上手くなってきた。それと同時に、中山選手の動きが少し良くなってきている。位置取りとかシュートとかの技術である。
 そう言っても、ダヴィ選手は、相手に囲まれても無理やりドリブルに入るし、中山選手も足元がおぼつかないのは相変わらずであるが、それでもそれなりに攻撃の形はできてきている。後、何と言ってもセットプレーからの得点が多いことがいえるだろう。
 
 以前の札幌なら、セットプレーからの得点は、奪われる方で、奪うほうではなかった。それが最近は、セットプレーからの得点が増えてきている。これも、ある程度スタメンが固定され、選手間の間が合ってきている証拠だろう。

 選手の固定は必ずしもチームの成長を生むとは限らないが、勝利し続けることである程度不協和音を抑えることができ、更に適度な出場停止が控えの出場のチャンスを与えガス抜きにはなっている。これが負け続けるとそうは上手く行かないのが常である。

 試合の方は、そのセットプレーからである。西谷選手のFKをキーパーがはじいたところを西島選手が今期初ゴールを決めて札幌が先制した。これは、キーパーがはじくことを予想して飛び込んだ札幌の勝ちである。

 しかし、その先制も束の間、ロスタイムの間にPKを京都に与え同点にされ前半終了してしまう。そもそもの切っ掛けは、札幌DFのボールの処理ミスを、パウリーニョ選手に奪われゴール前に詰められたもの。ここは、キーパーに任せても良かったところ。このプレーで曽田選手がイエローで次節出場停止となる。
 
 最近曽田選手も、少しミスが増えてきた、ここいら辺でお休みするのもリフレッシュできる効果がありそうなので次次節に期待。

 後半は、京都が同点にした勢いから攻めに出る。上手くそれを札幌はいなし攻撃をしていたのだが、ゴール前で人数が居たにも拘らず、パウリーニョ選手のヒールパス一本で抜かれ徳重選手に決められ2−1とされる。

 ここで普通ならホームの京都が1点差を守りきって札幌の負けとなるはずが、相変わらず京都は、攻めに来た。この当たり戦い方が不明である。
 
 その後札幌は、藤田選手が右サイドをドリブル突破しゴールラインぎりぎりから折り返し、それを砂川選手がシュート、それをキーパーが弾き、詰めていたダヴィ選手がゴール。これで2−2の振り出しに戻る。

 そして直ぐ、砂川、石井両選手のパス交換から、石井選手がドリブルでペナルティエリアに抜け出し、キーパーが倒れこんだのを冷静に読み浮かしてシュート。これが決まり2−3とする。

 これで札幌は、何時ものとおりゴール前に閂を掛ける。

 そして試合終了。アウェイの勝利と、2位の京都に勝つことで更に勝ち点差を10に広げることに成功。更に、3位争いをしている仙台が負け、福岡も引き分けとなり。昇格を争うライバル達に勝ち点差を15とする。

 まだ、昇格が決まったわけではないが、このような札幌の試合を続けていけば先は見えてくる。更に勝利を積み上げることでチーム内の不協和音も消え、運営会社の拙さも見えにくくなる。
 今回の石屋の問題も、今後札幌の運営に影響を及ぼすことは間違いない。それを好調の今だからこそ問題解決を図って欲しい。
 J1昇格間近の札幌だからこそ、好条件のスポンサーを探すことも可能だろう。もし、札幌が下位に沈んでいてこういう問題が起きていたら、チーム存続が取り沙汰されていたはずである。それが、首位と言うことでまだ危機感に乏しいきらいがあるが、これをチームと会社自体の改革の好機と捉えて行動を起こして欲しいものである。

 石屋製菓もやはりここは出直しを図ることで北海道ブランドの回復に努めることが最重要課題である。
 次々と難問を抱える北海道の中にあって、コンサドーレ札幌の勢いが地域の士気を高めることに繋がればと思う。