心カテ中のC型肝炎の感染

今回の件、どこの施設にも起こりうる潜在的な可能性がある事故である。

 何故そんなことを言うかというと、医療器具は高額であるからである。血管造影用のカテーテルで一本5万円、治療用のバルーン付きカテーテルなら30万以上である。
 更に今回、事故の原因となったトランスデューサーなどの付属物なども普通の感覚なら数百円程度で買えてしまう可能性がある。

 しかし、医療器具は、厚生労働省で製造許可を得て製造しなければならないのと、検査中に使用する場合は、無菌でなければならないため、厳重な包装が必要である。
 そういったもろもろの条件があるので高いとされている。

 しかし、本当は、そういった製品も自然な競争があれば安くなるはずなのだが、それが診療点数といもので医療材料費という基準価格が定められているため、例え、製造方法を改良して劇的に安くできたとしても安くすることができないのである。
 そのため、値段を高止まりするために、何らかの改良を加え新製品を発売するのである。

 つまり医療材料は国がコントロールしている。

 今回の原因となった製品。普通なら使い捨てをする。しかしここに問題があるのは、使い捨てなくとも使っても病院に支払われる金額は同じなのである。
 実は、その他の医療材料は包括化され、一律の金額が支払われるからである。

 つまりそういった行為が行われる可能性は、他の器具にでもいえるのである。それをおこなわさせないのは、医療人の良心に負うところが多い。

 きっと今回の事故を受け、通達なりが出るのだろう。しかし、本当の解決策は医療者の良心にある。