今日も朝日は、春の様相を帯びている。これを見て古文の一文が頭に思い浮かんだ。

 「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく・・・・・・」

 さてこの後は、何だっただろう?

その後は、こう続く

 「山ぎは、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」

 まさにそれかもしれない。朝日が昇る東の方の山の辺りには薄く雲が立ち込め、昇る朝日が少しかすんでいる。そして東の空から次第に上空が白味を帯びていく。

 平安の時も今と同じように変わる空を見上げていたはずである。

 何やら文学的な香りで始まったが、こう言った昔授業や、受験生のとき必死で暗記したものというのは何時まで経っても大脳の記憶から消え去りはしない。
 不思議なものである。

 忘れようと思いたい記憶も、忘れようと努力する余り反復して頭に思い浮かべるばかりに中々忘れられないものである。

 また最初に戻るが、急に気温が上がり始めたせいか雪解けが進む。頭より高かった庭先の雪が今では頭くらいの高さになってしまった。昨日より明日、明日より明後日というように加速度的に雪は融けていくのだろう。
 まさしく今の南極と北極の氷河もこのような状態なのだろう。どこかで歯止めが取れると加速度的に別な安定点に到達しようと自然は動き始める。
 安定な点にたどり着くための振る舞いが加速度的に進むためその中に暮らす人間の不安定さといったら言葉も無いほどかもしれない。