税金

昨日の夜に降った雨がアスファルトに水溜りを作っている。明け方は空一面雲が覆っていたのに今は青空が広がっている。
 空は、透明な水層ができたように高く頭上に広がっている。そういえば「きぼう」もこの青空の中に浮かんでいるはずである。

 
 今の話題の特別会計は、戦後の混乱が落ち着き日本が高度経済成長にまっしぐらに突き進むときに作られた制度である。いちいち国会で予算承認を受けるのは時間の無駄であるということと、長期の政策を行うには単年度の予算付けでは事業の進行に支障がでるという理由だったはず。

 しかし、この方法も時代が経てば考えを変えなければ無かったはずである。その特別会計とはどのような種類があるかWikipediaから引用する。

・特別会計は、3種類
事業特別会計、資金特別会計、区分経理特別会計

さらに事業特別会計は、次のように分けられる。

○企業
国有林野事業特別会計
保険事業
地震再保険特別会計
船員保険特別会計
年金特別会計
労働保険特別会計
農業共済再保険特別会計
森林保険特別会計
漁船再保険及漁業共済保険特別会計
貿易再保険特別会計

○公共事業
国営土地改良事業特別会計
道路整備特別会計
治水特別会計
港湾整備特別会計
空港整備特別会計

○行政的事業
登記特別会計
特定国有財産整備特別会計
国立高度専門医療センター特別会計
食料安定供給特別会計
特許特別会計
自動車検査登録特別会計
自動車損害賠償保障事業特別会計

○融資事業
産業投資特別会計
都市開発資金融通特別会計

そして問題は、一般に特別会計ごとに予算を消化するため、透明性が高くないというところにある。今回のように職員の福利厚生費を特別会計から出したとしてもその内容が国民の目には見えないということである。

 しかし、この特別会計の抜本的な見直しができなかったのは、全て官僚の責任であるとはならない。今回のように官僚がお手盛りで予算を使ったように、その影で甘い汁を吸う議員もいる。その族議員と呼ばれる人たちが、その改革を阻止しようと働いていたからである。
 いうなれば一部の政官の癒着が無駄遣いのための資金を得るためにこの制度を活用してきたといっても良い。

 国民から浅く広く集める方法は、国民に中々痛みを感じさせない。最初は、少しずつ徴収されるためこのくらいの負担なら構わないと思っていたのに、いつの間にか暫定という何やら曖昧な表現で少しずつ値上げされいつの間にか本体価格の3分の1にまでになってしまったガソリン税がその良い例である。気付いた時には税金を払うために車に乗っているようなものである。

 それが本来の使い方の道路整備に使われているなら文句も出ないだろうが、本来の使い方でないものに平気で使われ、天下りの役人のための高額な給与(普通民間なら退職後の再雇用は、半額以下に減額される)や退職金の原資に当てられ、更に政治家の選挙資金、ブローカの分け前などに流用されるという事実が国民に怒りをもたらすのである。

 もし、正当に使用されていたなら、今頃、日本中立派な道路が作られ、高速道路網も最初の予定通りに整備されていたはずである。しかも高速道路の整備を国が行っていれば国道であるので、当然高速道路の通行料は無料だったわけである。

 まあ、多少の無駄が出るのは仕方が無いとしても、無駄の方が予算の大半を占める現状は大問題といわざる終えないし、もしその予算の使い道を別なものに振り替えていれば、もっと日本の国際競争力は高まっていたはすである。

 資源を持たない日本にとって技術力は命綱である。そこにこそ投資を振り替えていかなければ、いつか日本は太平洋に浮かぶゴミの島になりかねない。