原油高

空のおよそ半分程度に雲が浮かび、太陽の光が差している。風も無く穏やかな朝である。しかし、午後から夜半にかけて梅雨前線が北海道に掛かることにより雨が降り出すようだ。
 この前線が長く停滞するようだと数日雨が続くことになる。そうなれば北海道も梅雨入りということになる。
 春先の梅雨が北海道にやってくると夏と言うのはこれからの季語になるのかもしれない。


 原油の先物取引の影響で原油の値段が上がっている。これだけ世界で消費が増大すれば、投機家は見逃すはずはない。毎年、原油の生産量が限られているため、消費量が増えれば物の値段が上がる。そういった商品の値段が上がり下がりするものに対して投資家は群がるのも道理。
 きっと日本の投資筋も見えないところでこの原油値上がりに手を貸しているはずである。なぜなら日本には、埋蔵金が一杯あるから。

 だけれどもおかしい話ではある。この値上がりで他の物の値段も上がってくる。例えば自分たちが銀行或いは郵貯銀行に預けたお金が廻りまわって物の値段を押し上げる原因を作っているからである。
 言うならせっせと働いて溜めたお金を自らの手で目減りさせているマッチポンプ状態である。そのことに国民は気付いていない。
 原油の値段が上がっていることに一役買っている自分たちの姿は、遠くから眺めてみれば滑稽に違いない。

 この原油高、値段が上がれば消費は鈍る。更にこれ程高騰すれば、他のエネルギー生産コストは相対的に同等になり、以前なら条件的に不利だった、太陽光、風力などの自然エネルギーの利用もコスト的には対等になるだろう。
 そうすれば徐々に原油の消費も落ち着くはずであるから、いつかは暴落することになるはずである。ただし、原油の埋蔵量が不透明であるため、もしアラブ諸国で原油の産出が減るようであればこのまま当分高止まりする可能性もあるにはある。

 更にもう一つ原油高によって世界の均衡が崩れる要因にもなるだろう。今でも発展途上国の物価が上昇しているため各地でデモが起きているが、それが国内で止まるうちは良いが、この怒りが膨大な消費国である先進国に向いたとき世界は混乱することになる。
 
 この不安定要因を解消するには、原油の先物取引を禁止するしか無いと素人考えでは思うのだが、それで解決できる状況なのか良くわからないというのが本当のところだ。