景気対策

今日は、朝から雨が降っている。昨日の雨は、夜中に雪になったようで薄っすら雪が積もっている。その雪を溶かすように雨は降っている。そのため、雪の表面に穴が開きかえるの卵が一面に広がっているようにも見える。 日本銀行が、直接企業のCP(コマーシャルペーパー)を買い上げる方針だと報じられている。お金を発行する機関が、自分で刷ったお金で手形を買い取るわけだから、究極の手段とも言える。 もしこの過程で、企業が倒産すれば買い手の日銀が発行する円の信用力低下につながる事になる。 今日も、マンション販売大手のダイア建設が会社更生法を申請した。以前景気良くTVにCMを流していた記憶があるが、栄枯盛衰の一つの例になってしまった。 そもそもマンション開発は、数年前から過常といわれていたのに、動き出した車は急に止まれないの例えどおり建設が止まらなかった。 住む人が例え居なくとも、何故か買い手の需要があるという不思議な現象が続いていた。それも買い手が、バブルで儲けた金をどこかに投資する際、マンションでも買っておくかという需要だったのだろう。 札幌でも、本当にこんなに住む人が居るのと思わせるほど建設が進んだ。資金の流れが途絶えれば、自転車操業でやってきた建設業者は、あっけなく白旗を揚げるの図である。これから益々倒産件数がこの業界では増えていくだろう。 だけれども、投資した人たちは、何を考えていたのだろう。日本の人口が減少している時期に、これだけの住宅需要があると考えたのだろうか?オフィスビルもそうだが、数年前から需要が飽和状態で空き室が増えていると報じられていたのだから、この結末は想像できたのではないだろうか? ここに来て、ついに小泉劇場の結末は見えたということになる。競争社会から勝ち抜いた勝者を優遇しようとアメリカの例に倣って進めてきた構造改革であったが、その手本となってきたアメリカがここに来て奈落の底に転がり落ちた今、構造改革は進んでいないのに競争だけがいつの間にか進み、アメリカと同じように転がりかけている現状である。 転がり落ちないのも、小泉改革以前の不景気が日本の出足を遅らせていたからという、幸運なんか不運なのか判らない理由であった。 日本の大きくなりすぎた政府の構造改革は進めていかなければならない。それとは別に、日本の金持ちは、自分の利益の追求に熱心ではあるが、日本の国民に利益を還元する事はしないという事が良くわかったここ数年である。 金を儲けた人が、その利益の一部を還元せず、自分の快楽のためにお金を費やす事で、別な産業が発展してしまった。 この産業は、将来に何の夢をもたらさない、只一時の快楽を得るための仕組みである。それに湯水のように注ぎ込んでいびつな日本が出来上がり始めていた。 しかし、この不景気でその伸びが止まった事は日本にとって幸せな事だったかもしれない。少なくとも今後は、世界中の人が幸せな暮らしが出来るような仕組みを作り上げる産業に投資が集まればと願うばかりである。