保護主義

昨日の夜から少しずつ降り続いた雪は、10cm程度の積雪となった。あまり強い雪では無かったがチリも積もればなんとやらでこういう結果になるというお手本のようなものである。 それも冷え込んだせいか、吹けば飛んでいきそうな軽い物である。丁度地面をタンポポの綿毛が覆っているようなものである。  アメリカに端を発した世界同時不況は、徐々に保護主義の度合いを強めているようである。自国の景気を回復するために手っ取り早い方法は、自国で作ったものを自国で消費し、他国からものを買わないようにすればある程度消費の落ち込みは防げる。 更に、その自国の消費がまかなえなければ、他国と共同で行うEUのような域内経済圏でやりくりするという動きが強まっていくだろう。 今後の景気の動向如何では、自国以外の国からものを買うのではなく、強奪する方法がとられる可能性がある。その方法は、植民地という形ではるか昔の時代から行われてきたものである。 この歴史の再現を阻む事が出来るかどうかが分かれ目である。 この不景気が強まれば強まるほど、各国で軍備の増強が始まるだろう。それは日本とて例外ではない。日本だけがアメリカの軍事力の傘の元、スネオのように脳天気なことを言ってられなくなるだろう。 それこそ世界に対して日本がどうあるべきなのか国として体制を今から考えていかなけれならない。 EUの各国は、その点で弱肉強食時代を経て今の国がある。その点で戦いなれている。或いは、自分たちが生き抜くためには戦略が必要だと考えている。 日本のように島国で外敵から殆ど侵略された事が無い国と違う。更にその唯一侵略された経験を持つ戦中世代は徐々に寿命を全うし、残っているのはその経験の無い人間ばかりである。 いくら日本が平和憲法を持っているからといっても他国にとってそれは、呪文でしかない。日本の世界平和という理念を各国に浸透させるのも戦略が無ければ叶わぬ夢である。 戦後の好景気で平和ボケした感のある日本人にとって自国の平和を如何にして守るかという基本的な戦略があるとは到底信じられない。自国の平和を守るため世界の各国とどのように付き合っていくかが今後重要な政策になるだろう。 その上で、日米同盟を強化するのか、それとも他国と協力していくのか、それとも一国主義に転じるのか複数の選択肢からそれを選んでいかなくてはならない。 それが今の自民党、民主党に出来るかどうかそれが非常に心配である。更に自分達の省益を大事にする官僚達にその自覚があるか甚だ不安ではある。  何となく、世界の情勢が不安に思えるこの頃である。一つ安心なのは、日本が資源を持たない国であるということぐらいか。もし資源大国なら、各国に真っ先に目を付けられる国になってしまうからである。