生保

 小降りの雨が昨日から断続的に降り続いている。風はそれ程強くなく、風は湿気を含んでいて爽やかさとは程遠い。


今日のニュースはこれ
引用 asahi.com (http://www.asahi.com/national/update/0621/OSK200906200191.html

生活保護患者の手術偽装、不正請求容疑 奈良・大和郡山

奈良県大和郡山市内の民間病院が、入院中の生活保護世帯の患者数人に手術をしたかのように装って計百数十万円の診療報酬を不正に受給していた疑いが強まり、県警は21日にも、詐欺容疑で同病院などを家宅捜索する方針を固めた。県によると、同病院は生活保護費の受給者を多く入院させており、県警は、ほかの患者にも架空や不必要な検査、手術をした疑いがないか調べる方針。病院側は不正受給を否定している。

 生活保護世帯は、医療費の全額が公費でまかなわれるため、保護費の受給者を入院させたり、高額な治療を受けさせたりしやすく、全国の医療機関で不適切な診療報酬の受給が相次いで発覚している。

 
 病院にとって生活保護者は、医療費の取りはぐれの無い患者である。また、定職に就けない病気を持っている場合生活保護を受けることが可能である。そのため生活保護者は、左程重篤な疾患では無いだろうという場合でも受診する場合が多い。
 医療者側も、患者が生活保護の場合、時間的都合がつきやすいため気軽に検査を入れる傾向があるかもしれない。

 そのため、不正をしようと思えば可能といえば可能である。ただ今回の場合、心臓カテーテル検査を行いステントと呼ばれる狭くなった血管を広げる治療器具を使用したことにして医療費を請求したようである。
 最近のステントは、胸部X線写真には映し出されにくいため確認はしにくい。それを利用して不正を働いたのだろう。しかし、こういった場合、その術中の検査の映像が必ず残っているので調べれば不正はわかるだろう。

 ここ数年の医療費改定は、自治体病院のみならず、中小の民間病院を疲弊させている。徐々に淘汰されて入るが、その動きは鈍い。それは、診療報酬が確実に入るのと、それを理由に薬や医療材料の支払いを遅らせる事で何とか経営を行う事が出来るからである。
 それが出来なくなれば、今回のように不正を行うか、身売りするか、廃業するしかなくなる。

 確かに漫然とした医療を行うほど、医療費に余裕は無くなってはいるが、適正な医療を提供しても、昨今の事情より経費を払えば利益が相殺されるような診療報酬では、間違いなく病院は経営してはいけない。

 上の例のように、一歩間違えば医療費の不正請求を行うような環境が現実に存在している。これは氷山の一角だと確実に思う。