朝夢

 東の空に掛かる帯状の雲で朝日が顔を出せないで居るが、空の半分は晴れている。西の空には白く光る大きな雲が浮かんでいる。今にも雪を降らせそうな雪である。
 外は寒い、きっと零度近くなのは間違いない。その中、小さな雪がまさしく雪虫が漂うように舞っている。その漂う雪が、外に駐車した車の屋根に埃のように積もっている。その光景が一層外の寒さを感じさせている。

 今日は、日曜と祝日の間の平日である。こんな日は一層の事休みを取って寝ていたいところだが層もいかない。更に既に昨日から11月が始まっており、月初めであるので暢気な事は言ってられない。

 昨日、既に今日の朝だが夢を見ていた。
 列車から降り、階段を上り出口へ向かおうとしているのだが、その階段が徐々に狭くなりついには鉄のはしごのようなものになり、ついにメッキした銀色に光るパイプが2本になりそれを掴んで足をその間に入れなければ下に降りれない。地面がそこに見えているのだからエイヤーと飛び降りれば良いのだが少し逡巡する。きっと降りた途端に何かが起こりそうな予感がしたのだろう。意を決して降りると何のことは無い簡単に降りてしまった。朝日がまぶしかった。

 話としては、何も面白い事でもない。そのシチュエーションはB級映画にもならない程度のストーリーである。
 それでも夢見ている本人の足にはその緊張感が足に感じられるのである。夢の中の自分の足がまるで操り人形の足となり、それを何とか操り着地させようとしているのだから無理も無い。

 そのため寝起きは最低であった。嫌な緊張感と足の何か知らないツッパリ感が残っているからである。

 こんな夢で目が覚めるのは頂けない。

 そんな夢の記憶を残しながら一日が始まるのである。