人生

 晴れ。このところ毎朝良い天気が続いている。これも春の訪れが近いことを表している。2月の朝の曇りの多さと打って変わって晴れた日が続くことが多い。

 気温は、晴れている日の放射冷却でかなり寒い。マイナス5度くらいには下がっている。

 昨日、知り合いのお通夜に行ったのだが、人の死を送る時に何時も感じるのは、自分の残りの人生の距離である。

 その席には、死んでしまった人と同じくらいの年齢の方や、それ以上の高齢の方もいらっしゃっていたが、自分が思う死への距離と、その思いはどの程度違うのだろうか?

 

 人が寿命を悟るのは、やはり親の死に立会う時だろう。自分の父親は、早くに亡くなってしまったためその死を感じるほど年老いていなかったため、自分の寿命の長さを感じる事は無かったが、やはり母親が亡くなると自分のこの先の寿命と言うものが見えてくる。

 それがこの先長いのか短いのか定かではないが、やがて人は死ぬものである。

 人生が何度でも繰り返すことができるなら、死に方にもやがて美学が芽生えるだろうが、一度だけではその死に方を選ぶことが出来ない。

 死にゆく間際に悟るのか、それともその前に夢の世界に行ってしまうのかだれも知ることはない。

 

 人は、死ぬ前に起きるであろう悟りを生きている間に得られるとすれば、少しでもまともな人生を過ごすことができるのだろうか。