曇り、時折小雨がぱらつく。空には薄灰色の雲が大部分覆い、その所々に雲の隙間があり青空が顔を覗かせている。気温は低い。
今日、チリの鉱山事故で閉じ込められた作業員の救出が始まる。間違いなく時の人である。日本のテレビ局も現地から生中継するらしい。
世界の裏側で、人の命が救われる場面をリアルタイムで見られることは、情報網の発達の一つであるのは間違いない。これは、ニュースとしては、報道する価値があるだろう。しかし、その喜ばしい場面は、日本人の暗く閉ざされた未来への希望と重なるのだろうか。
いくら、明るいニュースを流したところで、日本の現状は変わらない。この事故で日本が学ぶべき教訓は、諦めない心なのだろうが、その思いが日本国民に届くとはとても思えない。
この話題を話している人間からして、本当に心がそこにあるとは思えない感がそことなく漂っているように見えるのは、自分だけなのだろうか。
北海道では、衆議院5区の補欠選挙が始まった。その選挙応援のために、TVなどでお馴染みの議員たちが大挙してやってきている。
各党の命運を掛けていると言って良い風景である。もしこれ程の応援の結果が落選だとしたら政局への影響は免れないと考えているのだろう。
しかし、それは誤解である。北海道の一地方の選挙で国政を占うことなどできるはずなど無い。この選挙に道民はそれほど関心を持っていないというのが本当のところである。
もしこの選挙で日本の行く末が決まると言うなら非常に重大な事である。道民の意思が日本の将来を変えると言うならそれは責任重大である。
そして、その候補者が将来の日本を背負って立つ人物ならなおのこと良い。一層のことこの選挙で日本の次期首相が選ばれるというならもっと良い。
人は、勝ち馬に乗ると言うが、北海道5区の有権者は、その勝ち馬を本当に選ぶことができるのかどうかだけが興味でしかないことは本当に残念である。