札幌 vs 甲府

 仕事の都合で録画で見ました。

 芝生の荒れた厚別競技場、画面では緑色だが良く見るとハゲた部分に入れた土が見える。まだ芝生の回復は遅れているようだ。

 試合は、いつもの札幌の入り方と同様だが、この荒れた厚別の芝生を知っているだけに以前の試合よりパスはつながるようだ。

 相変わらずの前線からのアタックを繰り返す札幌の選手たち。それとは反対にハーフナー選手に当てるロングボールとパウリーニョマラニョン選手の個人プレーを絡める。

 昔大木元監督がやっていたピンボールサッカーとは別物に変わっている。それも監督が変われば当たり前のことである。

 

 ただその残りとして、選手の走る距離は短く札幌より省エネである。フォアーチェックもそれ程きつくなく、札幌にとっては好都合である。

 今節は、藤田、古田、宮澤選手の欠場から、岡本、上里、高校生の三上選手が先発する。

 U-18の高円宮杯を戦って来た三上選手、夏見た時より格段に成長している。若いということは素晴らしい。しかし、この成長のスピードもどこかで壁に当たる。それがスランプだったりケガだったりする。

 札幌で言えば、藤田選手、岡本、上里選手などケガでその進歩にストップが掛かってしまった組みである。あのデビュー当時はどれほど成長するかと思ったが、ケガさえしなければと思う。

 つい最近は、古田選手もケガで長期離脱である。

 試合に出ることで選手は成長するが、試合に出るために無理をすることでケガをしやすくなる。本当に難しい。

 試合は、前線のハーフナー選手を札幌が抑えることで相手の攻撃を抑える。その間を外国人2人が動きまわる。

 そしてその動きで甲府に得点を決められる。

 前半は0-1で終了。何時もなら下を向く札幌の選手もあまり気落ちしていないことが救いか。

 後半開始早々、相手ゴール前まで綺麗にパスが通る。得点が決まるときはこのようなことでない限り入れることができない。

 そして特筆すべきは、そのシュートを決めたのが三上選手だということである。Jリーグ初ゴール。

 1-1になり、お互い勝つために攻め合いとなるが、甲府の外国人選手2人の足が徐々に止まり、ハーフナー選手に当てる攻撃ばかりになり札幌にとって守りやすい展開となる。

 しかし、その札幌にとって有利な展開も、自分たちでパスミス、トラップミスでチャンスを失う。

 岡本選手のヘッドも枠に飛ばないという、何時もの札幌のペースになり追加点を奪うことができない。

 

 そして試合はそのまま終了。

 札幌の1点は、見事だった。あれが試合の内に何回も作り出せれば得点を入れることは難しくない。それが続かないのが問題で、その部分は、依然解決していないということである。

 相変わらず良いところで息が合わず、交代で入ってきた選手も自分勝手に動き、何らチームを活性化することができない。そもそも試合に入る心構えが不足しているように思う。

 既に白旗を掲げた札幌だが、良い試合を見せようという選手の思いは感じる。しかし思いだけでは試合は勝てない。そこにやはりチームワークであり技術が伴う必要がある。それは、何故かこのチームでは、開幕から今まで見せることはできない。

 今後、若手である、上里、藤田、岡本、古田、横野、三上選手達の若い選手が今後どの程度成長するかに札幌の未来は掛かっている。この選手たちが全員目を見張る成長をしてくれればきっと札幌の未来は開けることであろう。

 

 少なくともこれらの選手を手放すことだけはして欲しく無い。