晴れてはいるが、霞がかった空である。気温は相変わらず低い。今日の朝もストーブを着けてしまった。
普天間問題、色々と迷走しているが、何故アメリカ軍が必要なのかという議論が余りない。
日米安保条約があるからと言う理由が基本最初にある。戦後日本は憲法で軍隊を持たないとうたった。
その補完の意味で、安保条約を結び他国からの侵略を防ぐためであった。もし敗戦した際、アメリカ軍が駐留していなければ、直ぐに当時のソビエト軍が進駐してきただろう。
そういう意味であの当時のアメリカに占領されたというのは幸運だったとも言える。
しかし、日米安保の傘の下、日本も自衛隊という軍隊に似た組織を作り上げ、自国防衛のための備えを用意した今、国民の中にそろそろ用心棒を置かなくとも良いのではないだろうかと言う考えが出てきたのが今の現状である。
米ソ冷戦が終わりを告げたとき、本当に軍隊などいらない時代が本当にやってきたと思った。しかし、それも一瞬である。ソ連が一時期崩壊したと同時に、北朝鮮の核開発、中国の軍備強化、さらに911から続く、中東、アフガンにあるテロ組織の脅威と、立て続けに世界平和の幻想を打ち崩す出来事が連続して発生してしまった。
徐々に、世界が平和に成るという幻想は脆くも打ち砕かれ、日本だけが平和な気分を謳歌していたことに気づいたと言うのが今だろう。
そこで沖縄のアメリカ軍である。日本の自衛隊がアメリカ軍を補完できる能力があれば別だが、戦後一度も紛争を経験せず、まさしくその実力は、国民にとって未知数である。
今本当に国の安全を自衛隊に任せられるかといえば任せられないと言うのが本当だろう。更に日本国憲法は専守防衛をうたい、こちらから戦争を仕掛けることはしない。相手に攻撃されても、文民の長である内閣総理大臣の命令でしか反撃出来ないのだから、実際の有事の際、迅速に行動に移すことは無い。
それと比較して、日本に駐留するアメリカ軍については、指揮命令権はアメリカにある。日本がアメリカ軍に対して直接命令して攻撃を開始させることは出来ない。その分、もしアメリカの軍隊が日本が攻撃されるときに標的に成るようなことがあれば、防衛のため相手に攻撃する(はずである)。それが日本各地に米軍基地がある理由である(と思う)。
その用心棒代は、高い。更に有事に際し、アメリカ軍がどのような行動を取るかまだ分からない。何せ一度もそういった事態に陥らなかったからである。
しかし、屈強な用心棒が居る国に他国が攻めこむとは中々考えられない。その辺りのバランスが、日本の平和を生んでいる。もし、日本にアメリカ軍が駐留していなければ、日本と中朝台の間にある領土問題もすぐさま問題に成り、有事に繋がる可能性がある。
そして問題なのは、今の日本の状況である。国民が本当にアメリカ軍の存在意義を真剣に考えていないところである。
日本にアメリカ軍が存在しないとしたら、自衛隊の軍備を強化するのか、それともこのまま、或いは、自衛隊も解散し、武力放棄するのか、そのシナリオを考えるべき時だろう。
その選択の中から、今の時点のアメリカ軍の存在意義を明らかにしなければならない。
この先の変化は誰もが想像出来ないだろう。世界は混沌化するのか、また安定に向かうのか、経済情勢の変化で如何様にもなる状況で有る。
やはり用心棒は今は必要だろう。