戯言

 晴れ、風が少し強い。気温は朝の時点で10度と比較的暖かい。

 人は、相手が身勝手な振る舞いをすると嫌悪感を覚えるものである。或いは自分が相手に不快感を与えているとは気づかないものなのかもしれない。

 そこからいざこざが発生するのだろう。自分の事は棚にあげて相手を非難することは良くあることである。部外者から見ればそれは非常に滑稽なことであるが、それは反面教師である。

 それは、時代の風を反映するのかもしれない。TV、新聞、雑誌、ネットと色々なところで自分の姿を顧みず非難、中傷を繰り広げられる。
 誰もが正義で、相手が悪だと非難するが、自分だけが正しいと言うことは、この世に存在しない。あるのは、正しいでは無く、最善と言う言葉だろう。
 その最善は、時には悪でもある。

 日本が色々な意味で時代が変わり始めたのは、やはりバブル崩壊の時期からなのだろう。高度成長期の、右肩上がりの時代、その時代が終わりなだらかな下降曲線を描く時代が続き、今急激な変動が日本社会を包んでいる。
 その時代に、日本という国が立たされえたとき、この先の未来の設計図を持たずに歩き出してしまった。

 今、日本の中に、バブルを経験した世代と、経験しなかった世代が混在している。経験した世代は、あの頃の夢をどこか忘れることが出来ず、何時かまた一山当てようと虎視眈々と勝機を狙い続ける。
 経験しなかった世代は、その後の不景気の荒波を被ったせいかどこか慎重で冒険をすることが無い。
 
 日本の景気回復は、漸く地方にも現れてきている。あれだけ湯水のようにバラまいたお金が漸く田舎まで回ってきたのが今である。
 これで落ち着けば、日本の国内需要も回復するだろうが、その間に失った日本の国力の損失は過大である。
 
 日本が不景気の間に企業が行った大リストラは、新しいモノを目に見える形であらわしてはいない。
 企業が身軽に成るために、切り捨ててきた余分なものが新しい産業を生み出さなかったではないか。
 本当なら、その身軽に成った企業が、新しい分野を切り開く事をすべきだろう。しかし、その新しい分野のは、大勢のライバルがひしめいている。日本が不景気になっている間、諸外国は軒並み力をつけ始め勝手のメイドインジャパンの栄光も昨今のトヨタに代表されるように神通力を失ったかに見える。

 今までの日本の栄光をまた再びつかむには、やはり全てが一致協力してこれに立ち向かう必要があるだろう。