個人情報の行方

 雨、6時頃は小雨だったのに7時頃から急にその勢いを増し夕立の様になってしまった。今日一日雨らしい。
 更に日本海側には、台風4号が近づいており、今週末まで天気は荒れそうである。


引用 産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100811/crm1008110040000-n1.htm) 

【所在不明高齢者】「国内最高齢」114歳以上が18人も

 神戸市で100歳以上の高齢者105人が所在不明となっている問題で、不明者の中に、本来なら「国内最高齢」となる114歳以上の不明者が18人、現在最高齢と同じ113歳の高齢者も3人含まれていることが10日、同市への取材で分かった。各区の担当者レベルでは、居住実体がないことは“周知の事実”とされ、市に報告する「100歳以上の高齢者」にも含まれなかったという。

 この問題、国民総背番号制等の何らかのデータベースがあれば、きっと合理的に毎年補足できた可能性がある。
 その代わり個人のプライバシーを損なうおそれは当然出てくる。しかし、このニュースを読んで国は何をしていると講義する人の多くは、その総背番号制に反対する人が殆んどである。

 更にそうでなくとも、役所の縦割りに問題が有るとして、役所内で個人情報のやり取りを緊密化するために名寄せして情報を一元化した場合、それを取り扱う人間が個人の情報を簡単に取り出せるようになり、もし漏れた場合犯罪に利用される怖れがある。

 その可能性が限りなく低ければそれを許容するのか、それともそれが無理なら諦めて、今回のような所在不明な人が出ても粛々と抹消手続きをするのが正しいのか決める必要があるだろう。

 個人情報に敏感な人は、こういった情報を扱うのはロボットのような無色透明な人が扱うべきだと考えるだろうが、現実はそうも行かず、医療の現場では、もう既に色々な個人情報が名寄せされた状態でデータベース化されている。
 ヘタをすれば、病院周辺に居住する住民の健康情報に付随した個人情報がデータベース化され、これが現在進行中の地域連携システムが順調にその網を広めて行けば、国より先に国民の殆どを網羅する個人情報のデータベースが完成するだろう。

 今回、行方不明者の補足に、国民健康保険や後期高齢者、介護保険といった利用、受診データが使われたが、厳密に言えば今回の使用は、個人情報保護の観点から言えば目的外利用の範疇に入る可能性がある。
 今回利用されたデータベースは、レセプトと呼ばれる医療費請求のデータであるが、多くの個人情報が含まれている。今回利用された範囲は、地域的には狭かっただろうが、国民健康保険のデータベースなら日本中のデータを一元化しているだろうからどの程度の範囲で検索を掛けたのか知りたくもある。

 また、個人情報のデータベースといえば、クレジット関連のデータベースがある。これは、消費行動に限定したものだが、このデータベースも多くの国民のデータを持っていると言える。

 いつの間にか情報化社会の発展が、国民総背番号制に反対をしていたとしても、それに準じた番号が既に国民に割り当てられ、いつでもそれを繋ぎ合わせることが出来る状態になっているといったも良い。

 それを前提として、その情報を如何に安全に取り扱うことができるかという議論をしていかなければ、誰かがその情報を操作できるようになってしまっているかもしれない。