大波

 秋晴れの良い天気、朝日がまぶしい。気温はそれなりに低く、10度以下なのは間違いない。

 
 今の日本人の6割は、今の生活にいることに満足しているのではないだろうか。残り4割は、今の生活に飽き足らず不満を持っているのだろう。この辺りは、正確な数字ではなく、自分の勝手な想像である。

 その満足した6割は、今の生活を守ることを重要課題として、その均衡が崩れることを怖れているはずである。今の生活に不満を持つ4割は、何かあれば自分の不満を放出しようと待ち構えているか、何か起こればその機に乗じて漁夫の利を得ようと待ち構えている人たちである。

 簡単に今の日本の構造を自分なりに解説するとしたらそうなるだろう。それについては大きな外れはないはずである。

 今後、日本で大きな問題になるのは、今の生活に満足している人たちが今後徐々に不安定な生活を強いられることで、徐々にその生活に不満を持つようになる層になることである。
 今までの日本が、自民党を柱とする保守層が安泰だったのも、その政策を支持する層が6割以上存在したからである。そして、将来の未来の不安から民主党政権に移行したわけである。

 人は安定を求める。その期間が短くとも、一時の安定があれば心が休まるものである。そして何らかの不均衡が起ころうとすればそれに対処するために努力を行うのである。しかし、その努力する相手が大きければ多き程無力感を感じ足を止めその成り行きを見守るしかない。

 この状況は当分続くだろう。今の日本人がおかれた状況は、まさに大波を前にたたずむ人である。波が来るまでは、自分の生活を粛々と行うしかない。それが正しい正しくないは別問題である。自分が生きて行くための一つの方法である。

 この大波をかぶった後の日本を想像するに恐ろしさを感じずにはいられない。この生活が激変することは想像に難くない。それを受け入れる心の準備を国民に少なくとも知らせる用意が必要である。
 その衝撃が強ければ強いほど、国民に与えるダメージの大きさはけた違いである。今の為政者は、その衝撃に耐えるため静かに着陸するための方策を取ってほしいものである。