札幌 vs 熊本

 最終節、開始時間が12時30分ということで会場には行けなかった。まだ、日本全国の人が週休2日制で無く、土曜が仕事の人も多いはずで、開始時間をもう少し遅らせることで見に来る人が増えると思うのだが、この当たりの開始時間の設定を誰がするのか判らないが、土曜日が休みの人が決めた日程時間だろう。

 試合は、お互いに何の目標もなく、札幌の試合の目的は、引退する砂川選手を送り出そうという雰囲気しかなかった。来年につながる試合を目指すには、退団をする選手が3人も先発していること自体不思議なことである。まさしく引退興行といった風情がありありとしているのが残念であった。

 対して熊本も、開始20分の勢いは、完全に札幌を圧倒していた。それは、J1レベルの動き出しだった。しかし、その時間帯に得点が決められなかった。その後は、足が止まり、レベル的にはJ2に戻ってしまい、守備能力は、札幌と同程度のため札幌の攻撃をしのげず失点する。

 後半は、札幌が砂川選手のFKが決まり追加点を入れるとその後は、上手く守り切った札幌が更に追加点を加え完勝となる。

 何回も書いてきたことだが、返す返す残念なのは、砂川選手が札幌で開花しなかったことである。あおのFKをもっと早く決められるようになっていればと思う。退団する時にまた書くのは残念なのだが、時折見せるあのおしゃれなパスは通って何ぼのもの、通らなければただのミスパスである。あの辺りの精度が札幌に在籍し始めたころから治らなかった。
 ただあれを平然とキープできるような選手が周りにいれば良かったのだが、周りの選手は世界で有数の選手ではなかった。しかし最後の年の最後の試合で得点とアシストを決めることが出来たのは思い出に残ることだろう。

 また藤山選手も、もう数年早く札幌に来ていたらと思うと残念である。あの年齢であのプレーができるという事は、やはり才能がある証拠である。光るものがすごくあった。あの技術を他の札幌の選手に伝えることが出来ればと思うが、あの才能は、教えて覚えられるものではない。危険察知能力というべき人が生まれつき持ち合わせた才能である。あれを例えば岩沼選手が身に付ければと思うが。

 そして吉弘選手も、今季の後半はフル出場の活躍をした。金銭的なことで札幌を去る事になったが貴重な戦力になった選手である。他のチームでもそこそこ活躍が出来るだろう。

 来季の展望でいえば、これだけ選手が居なく更に退団する選手の数が半端ではない。これでJ1に昇格するチームを作るには至難の業であると予想する。

 熊本があれだけ選手をそろえ良いチームを作り上げてきたが、守備という面でまだ駒が札幌と同様不足している。あれが来季の課題だろう。札幌も同様に守備の駒が不足している点をどれだけ解消するかで今後が決まる。
 
 更に、来季はFWに外国人選手が加入するらしいので、上原選手や近藤選手はDFに転向したら良いのではないかと思う。過去札幌には曽田選手というFWからDFに転向した選手がいた。結構ミスも多かったが、ヘディング能力は群を抜いていた。彼が今の札幌にいたらセットプレーの失点も大きく減っただろう。
 札幌には、ゴール前で競れる選手の数が不足している。だからと言って転向するのは簡単ではないだろう。あくまでも個人の意見である。