コンサドーレ札幌の事

 東の空は雲が掛かって太陽の光が差してはいないが、概ね青空が広がっている。気温は、間違いなくマイナス10度以下にはなっている。なぜなら手袋をしていてもその寒さが伝わってくるからである。本当に寒い。


 今日は、コンサドーレ札幌の話を書く。

引用 報知新聞(http://hochi.yomiuri.co.jp/hokkaido/soccer/news/20101212-OHT1T00122.htm

石崎監督、強化費1億円減なんの悲願の昇格へ新人口説く

 コンサドーレ札幌石崎信弘監督(52)の来季の続投が11日、決まった。勝負の3季目に向け、新戦力獲得交渉に自ら出馬する姿勢を示した。今季は13位と低迷したが、クラブ側は終盤のゲーム内容と若手の育成手腕を評価し、11月中に続投オファーを出していた。来季の強化費は最大1億円減と厳しい状況の中、J1昇格を目指す。契約期間は12年1月31日までとなる。


 自分は、以前から続投反対派だった。石崎監督の戦術は、選手の能力が揃っていなければできない戦術であった。相手からのプレッシャーが少ない中での球回しには優れているが、前から当たられると途端にパス精度が落ちる札幌の選手にとってあの戦術は重荷に見えたからである。

 更にパスに拘るあまり、相手に守る時間を与えやすく、サッカーで一番得点を入れやすい速攻が出来ない問題点があった。それは、相手の反撃を恐れる余り中盤と後ろが上がらないことにも原因があった。
 その理由も、札幌に俊足の選手が少なく、相手に走られると振り切られるという理由があった。そのため後ろはゴール前に戻ろうとする意識が強く上がりきれないのは正直選手にしてみれば当然のことである。

 普通なら、その足の遅さを見極めた上でどういった方法があるか示すべきであった。もしかしたら選手にその方法を教えた上で選手が実践できないとしたなら、やはりどのラインで戦うのかはっきりする必要があっただろう。そういう意味でDFラインの上下動に難があったのは否めない。

 そして一番重要な点は、パスをつなげてゴールに繋げるための方法が個人の能力に頼るところが大きかった。速効型のキリノ選手を早々に見切り、ポストプレー型に切り替えるために近藤選手を使い始めたが、そのポストプレーが有効に機能しなかった。加入して直ぐは確かに呼吸も合わなかったが、2列目から飛び出す選手が少ないのと、相手が複数守りに居た場合、それを交わしてシュートに行く技術が無く、やはりパスをするというシュート能力に欠ける攻撃を繰り返していた。

 後半ようやく18歳の三上選手の登場でそれなりの戦いができるようになったが、それまでが悪すぎた。やはり石崎監督の戦術は、ピッチに立つイレブンがそれなりの能力を持ち、点取り屋の技巧的FWが居て初めて成功する方法であるのは明らかである。

 それでは、来季の札幌は、石崎監督の元で戦えるのか?

 今、徐々にではあるが補強の動きがある。強化費は1億減で選手をそろえる必要があり、ベテラン選手を多く解雇した。更にレンタル移籍選手である西選手は移籍、ダニルソン選手はレンタル延長ということである。更に最近のニュースでは、石川選手、藤田選手のJ1チームからの獲得交渉が始まったといわれている。
 もしこの2人が抜けるとすれば、その代りの選手を入れなければならず、そうなればDF陣は、西嶋選手しか残らなくなる。そうなれば新加入の選手でDF陣をまた新たに作り直す必要がある。
 果たして新加入選手ばかりでチームの守備の連動が整うのか監督の腕の見せ所というしかない。

 攻撃に関しては、キリノ選手の去就が明らかではなく、他にFWを取るのか取らないのか不明である。MFは多いため三上選手を本来のFWに上げる方法があるが、まだ経験が浅い選手がトップの位置で今季と同様の活躍が出来る保証は何もない。
 中盤のMF陣も、宮澤、古田、岡本、上里、芳賀、藤田選手と数はいるが芳賀選手を除いて負傷経験者が多く、来季もケガが無いとは言い切れない。
 DFは、来季室蘭大谷の櫛引選手が加入するが、即スタメンを張ることは困難だろう。出るとしても後半戦以降だろう。そうするとやはり弱点は、守備ということになる。ここに高さのある上原選手をコンバートするという噂もあるが、噂である。そうなると残り最低でも2人の補強は必要になるだろう。
 
 現在、元柏の蔵川選手にオファーを出しているそうだが、まだ獲得には至っていない。ブラジル人DFの話も出ているがそれも未定である。そう簡単にJ2でもトップレベルの守備陣を揃えることは不可能だろう。

 実際、札幌の若手と言われた選手たちもそろそろ中堅レベルの選手になりつつある。その選手たちが活躍すればJ2でも上位に行く可能性がある。更に能力が無くともチームの一体感が伴えばある程度の勝ち星が稼げる可能性が高い。それが出来なかったのもチームをまとめ上げる力が不足していたからである。
 それをするのが監督なのか、選手なのかチーム事情によって違うだろうが、どちらかが主導してチームを作り上げる必要がある。

 来季の戦いは、少ない選手で戦うことが既定路線なのだから、残った選手たちが上手く気分を載せて来季に向かう今のオフシーズンのHFCの動きも気にかかる。ここで上手く手を打たなければ今年と同じ何やらフラフラしたままシーズンに突入しかねない。
 
 そして一つ提案するとしたら、グアム合宿での体力向上は止めた方が良い。今季はあの急激な体力負荷が原因だった可能性が高い。もしやるなら科学的に行うべきだし、各選手にオフシーズでの体力維持のためのメニューを渡して置き、合宿が始まったら、戦術練習に重点を置くべきだろう。