キリン柄

 曇り、気温は零度前後である。風は無く朝だというのにまだ暗い。今日は冬至である。


 朝アスファルトの道路の上を歩いているとキリンの模様に似た氷のシミが目に入ってきた。普段ならきっと目に入っていてもそれが何なのか認識しないのだが、よくよく見てみると瓜二つである。

 キリン柄の模様を言葉で表すのは難しいが、あの模様は独特なものでは無くある一定の法則で模様が作られているのだということが良く分かった。

 アスファルトにできた薄い結晶は、まずぬれた薄い路面から始まった。それは水溜りではない均一に濡れた路面である。その水の数か所から水が氷になり始めるわけである。
 その発達の様子は、丁度雪の結晶のように四方に手を伸ばすように始まることが、十分な水分が無かったところにできた模様が物語っている。
 
 そしてその次の段階でそれがある程度の面積を持ち始め、一個の独立した島が出来上がる。この段階で氷になる水分が無くなった時点で成長が止まりキリン柄になるのだ。
 更にそれ以上の水分があれば大きな氷のシミとなるのだが、それは水溜りの一歩手前の状態の水分量になる。そのためそこは水溜りの境界とそれ以外というように広がっているわけである。

 自分は、動物の専門家でもないし、キリンを飼っているわけでもないので模様の成長過程は判らない。氷の模様はそうなっているがキリンの柄がそのように発達して模様になるのか不透明だ。もし機会があれば十分観察してみたいものである。