HDD

 晴れ、雲は所々浮かび、少し白みを帯びた青空が広がっている。気温はマイナス10度に近い寒さである。

引用 毎日新聞http://mainichi.jp/select/biz/news/20110308ddm008020135000c.html

 

日立製作所:HDD事業売却 首位の米社に3500億円で インフラに集中

 日立製作所は7日、ハードディスク駆動装置(HDD)事業を同事業で世界首位の米ウエスタン・デジタル(WD)に売却すると発表した。売却額は約43億ドル(約3500億円)。日立は半導体やHDDなど市況の変動が大きい事業を切り離す方針を掲げており、黒字のHDDも売却対象とした。同日夜、会見した日立の中西宏明社長は「(原子力発電所や鉄道など)社会イノベーション事業に人的、資金的資源を集中したい」と述べた。

 これは少し残念な出来事である。HDDの信頼度からいえば、日本製という安心感があったことと、それなりにHDDの信頼性は高い印象があったからである。

 HDDの将来性は、決して明るくない。何年か後には、必ず新しい媒体が出ているだろう。その頃には今のHDD市場は消え去ることは間違いない。それがSSDなのかその他の媒体なのかはまだ不明であるが、あの衝撃耐性と駆動モーターがあるという弱点は、淘汰の理由がある。

 しかし、枯れた技術というのも大切なことで、それがなければ世の中のコンピューターを使用した情報システムを維持するのは困難なことである。

 FDDがつい最近まで現役で存在したが、その間数多くの記憶媒体が出てそして消えていった。そしてその蓄えられたデータは、必要とされるもののみ別な媒体に移されそれ以外は、その再生されることのない媒体に残され消えていく運命にある。

 

 いつか消え去るデータをいつまでも維持するためにはコストがかかる。新しい媒体に移動させることも一つの方法だが、いつでも再生できるようにその再生機器を保存して置くという方法もあるが、その装置をネットワークに接続させようにもその接続方法が徐々に存在しなくなってきている。誰も使わない方法は、いつか機器からも取り外されてしまうのである。

 日立の決断は正しいかもしれない。成熟した技術は、すでに役目を終えた存在である。売れるうちに利益を得るという決断はトップにとって必要なことだろう。

 しかし、一度その分野から撤退してしまえば、再度進出しようとした場合相当なコストを必要とする。日立という会社がこの先何を利益の柱にし企業として生き延びていくのか、そして企業として生き残れるかという先行きは誰にも判らない。