お祭り

 曇り、今にも雨が降り出しそうな空模様である。気温は10度くらいである。夏服では少し肌寒い。

 道路わきの街路樹は、すっかり若葉が生い茂り初夏の様相を見せている。街が一瞬にして緑色に変身してしまった。家々の庭には、シャクナゲクレマチス、更にさつきなどがきれいな花びらを緑の中に浮き上がらせている。

 今週は、札幌でよさこいソーランが始まっている。この状況で人のにぎわいはどうなのだろう。よさこいは、大勢の踊り子が各地方から集まり大きな人の移動が起きる。そしてそれに引きずられるように大勢の人が札幌に集まることで祭りになるのである。

 今年のように大震災が起き、大勢の人がお亡くなりになった記憶が新しいうちに、大きなお祭りというと、少なからず非難めいた言葉が出るかもしれないが、祭りはそもそも、大きな災いを防ぐ、あるいは大きな被害を受けた地域の鎮魂の行事である。

 みんなが祭りに興じ楽しむことで、新しい一歩を踏み出すために行うものである。

 人がこの世から消えてしまうのも定めである。そしてまた新しい命がこの世の中に誕生し永遠に繰り返されることで生き物はこの世に生まれた証をこの地球に残し続ける。